木初高校男子バレー部!9
□家内安全
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私は昔から、変な人を引き寄せやすいタイプだった。
幼少期は誘拐されそうになったり、不審者に話しかけられたりすることが頻繁にあったし、
中学に上がってからはストーカーや露出狂も追加された。
有難かったのは、両親や友人が私を面倒だと突き放さなかったこと。
仕事もあって大変なのに行きは必ず送ってくれた両親。
自分も危険な目に遭うかもしれないのに一緒にいてくれた友人。
今日まで、大事はなく過ごしてこられたのはみんなのおかげ。
周りの人達には本当に感謝してもしきれない。
……でも、やっぱり罪悪感とかは残るわけで。
1人でも大丈夫だって、みんなを安心させたい。
『だから神様!よろしくお願いしまーす!!』
家の近くにある神社で願掛けをする。
これで何も起こらなくなれば、ご利益がすごい神社ってこと。
今までと変わらなくても……まあ、ちゃんと決意して行動したことに意味があるって雑誌で大好きなバレーボール選手も言ってたし!
あ、ついでにお守りも買っていこうかな。
『わ、いろいろある……どれがいいかな?』
1人で出掛けるなんて久々で、ついついのんびりとしてしまう。
うっかりしていた。
私は暗くなる前に帰らないといけないのに……
「あのー、買いますか?もうすぐ閉めないといけなくて……」
『え……え?!もうそんな時間ですか?!』
急いで周りを見る。
薄暗くなっていて、この時間はほとんど人通りがない。
神頼みの前に、こういうとこ直さないと……っ
でも、その前にっ
『こ、これ!くださいっ!』
せっかく行動したんだから、頑張れる何かが欲しかった。
もし、周りに頼って甘えそうになった時、ちゃんと頑張れるようにって
「ねぇ、君」
『ビクッ』
あと少しで家に着くとこだったのに……
「わ、やっぱり可愛い。ここら辺に住んでるの?」
『あ……え……っと』
走れば何とか家に入れると思う。
でも、この人に住んでるところ、バレちゃう……
それって、絶対危ないよね?
「どうしたの?ねぇ」
『ひっ!』
急に手を伸ばされて、怖さが増す。
私は家とは反対の方向に走り出した。
「あ!待ってよ!」
『?!(な、なんでついてくるの?!)』
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