木初高校男子バレー部!9

□共演して
1ページ/1ページ








今日の撮影は、いつもより難しい。


というのも静止画やセリフがあるドラマではないから。


そう、今日はプロモーションビデオの撮影!!


俳優としても活躍中の桜庭ネクさん。


新曲「秘め色」のPVに、ヒロイン役で出演させてもらうんです!


苦手な動きだけでの表現。そして、




「普段の清純派で妹キャラな感じじゃなくて、色っぽくお願いね!」


『は、はいっ!!』




初めて色気というものを求められている。


どうやったら出るのかなぁ。


私の身近な人で色気のある人は……やっぱり、雷也さん?




『……』


「ちょ、カット!!ι 梓ちゃん?顔真っ赤だけど大丈夫?」


『だだだ、大丈夫です……////』




ダメ!!雷也さんのこと考えたら、お仕事にならないくらいドキドキしちゃう!!


えーっと、他に色気……ええっとぉ……




「……ι 梓ちゃん固まってるなぁι 」


「すみません遅くなりました!!」


「桜庭ネクです。よろしくお願いします」


『!お、おはようございます!!』




別の撮影で遅れていた桜庭さんとマネージャーさんが到着した。




「ネクくん!すぐ入れる?」


「はい、いつでも大丈夫です」


「じゃあ先にネクくんから撮っちゃおうか!梓ちゃん、ネクくんの見て雰囲気掴んで!」


『あ、は、はいっ』




着いてすぐに撮影が始まる。


桜庭さん、すごい……


テレビ越しに見るのとは違う生の雰囲気。


テーマの『色気』を全身で表現している。


しかも、増田さんとはまた違った感じの色気で……




『……』


「はい、OKです!チェックしてもらって問題なければネクくん1人のシーンは終わりです!」


「ありがとうございます……あの、高橋さん」


『!はいっ////』




思わず見とれてしまっていた。


そっか、色気にも十人十色があるんだな……




「コーク……うちのマネージャーが、高橋さんのこと推薦したんです」


『え?』


「たぶん俺と相性がいいからって。だから今回は高橋梓≠ナお願いします。俺も桜庭ネク≠ナ演っているんで」


『私で……わかりました』




上手く出来るかわからないけど、精一杯やろう!


誰かの真似じゃなくて、自分の表現をーーーーー




「では以上です!お疲れ様でした!」


「お疲れ様でした」


『……お疲れ様でしたぁι 』




結局何回もNGを出して、ようやく全部撮り終えた。




「……高橋さん」


『!桜庭さんっ本日はありがとうございました!!何度もNG出してしまって、申し訳ありません……』


「!そう、ですね。これからもプロとしてやっていくなら、もっと自覚していかないと」


『!はい……』




少しだけ、やり切ったつもりでいたから桜庭さんの言葉に落ち込む。


やっぱり、才能ないのかな……




「……でも、この撮影の中だけでもかなり成長してると思います。コークも目を付けてるようですし……頑張ってください」


『っ!』




一礼してマネージャーの元へ行く桜庭さん。


そしてその後すぐマネージャーと走って行ってしまった。


次の予定があったのかな……あ、励まして貰ったのにら私何も言わずに……




『……もっと頑張って、また会わないと』


「梓ちゃん!最後の方とかいい表情だったよ!これとか最高!!」


『!ありがとうございます!!』






共演して




新しい目標が、私がこの道で頑張りたいことが出来た。




(さすが雷也さんの憧れの方です!)
(……あっそ)
(あ、PVは明後日解禁ですよ!見てくださいね!)
(見ねーよ)
(え、なんでですか!!ι )




長くなったから挫折した……
もっと梓とネクを絡ませたかった。
コーク出したい。
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ