アシタのセカイ
□スキのキモチ
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誰だって恋する権利はある。
だけど、結ばれるかどうかは別。
俺の場合、望みはかなり薄い。
(ない!とは言い切れないと信じるっ)
だって、その相手が……なぁ?
「?どうしたの、ボーッとして」
『あ、いや……なんでもないよ』
今人気のアイドルユニット"すかい☆"の大風恵亜、通称オフェ。
何気に中学から同じクラスで、結構話したりしてるし仲が良い方だと思う。
だけど相手はアイドルだし……一般人の俺とはやっぱり釣り合わない。
つーかそもそも……
「オフェちゃん!好きです!」
「え、ありがとう!これからも応援よろしくねっ」
「Σえっ」
『……ι 』
天然なんだよなぁ。
告白を告白として受け取らない。ファンの応援と取る。
勇気を出して告白してる奴に軽く同情するよ。
アイドルだから恋愛禁止ってのもあるかもしれないけど、もう高校生だぜ?
きっと、オフェにも好きな奴くらいいるだろ?
……オフェにも、勇気を出して告白したりする日が来るんだろうか。
「あ!次理科室だよ、行こっ」
『え、やばっι もうチャイム鳴るじゃんかι 』
その相手が俺だったらいいのに。
でも俺に向けられる笑顔は、恋愛のそれじゃないの、わかってる。
だから今は
スキのキモチ
は、言わない。
友達の"俺"でいるからね。
(キーンコーンカーンコーン)
(Σげっ、鳴っちゃった!ι )
(もー!アスがボーッとしてるから!)
(ご、ごめんっ!ι )
オチも何もない話。