木初高校男子バレー部!3
□可愛いヤツ
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「うお!あの子可愛い!!」
「え?!どれどれ?!」
『……』
私といるとき、那覇と赤はよくそういう話をする。
いや、もしかしたら普段からそういう話ばっかなのかもしれないけど。
でも、
『……ねぇ、私は?』
「「え?何が?」」
『イラッ』
私だって可愛い(ドヤッ)のに、他の女ばかり誉めるのはムカつく。
この際赤はどうでもいいんだけど、那覇が他の女を見てるのはすっごく嫌だ。
でも、他の女みたいにただ可愛いって思われるだけなのも嫌。
……つまりは、特別になりたいのだ。
でも、どうすれば特別になれるのかわからない。
『私は、可愛い?』
「!えっと」
「黄色は黙ってればイイよ、うん。暴力さえなければな『お前には聞いてない』Σいってぇ!ι 」
偉そうな赤を蹴り飛ばして、那覇に答えを求める。
すると、那覇は少し考えてから
「可愛いよ、黄色は世界一可愛い!!」
と言った。
こいつ、いろんな人に言ってそうだな……
とゆうか、"世界一"とついているけど、他の女に使ってる"可愛い"と同じ意味に変わりはない。
だから、納得なんてしない。
『……ふんっ』
「えっ」
背を向けて歩いていく。
世界一、か……
『納得なんて、しないもん……♪』
思わずスキップしそうになる。
別に嬉しいわけじゃないけど。
可愛いヤツ
そんなんじゃ、満足できない。
もっともっと欲しくなるんだ。
(……黄色、怒った?)
(!……ゴッ!!)
(Σ〜っ!!ι )
(那覇!ι ちょ、黄色!流石にソコは蹴っちゃダメだろ!ι )
(……うるさい)
あぁ、黄色ちゃん可愛いなぁ