木初高校男子バレー部!5
□わかったんだ
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これは、俺達が3年生になる少し前の話。
「カズ!ちょっといいか?」
『はーい』
監督に呼ばれて体育館を出る。
普段は何がなんでも部活を優先させる監督なのに……変なのー。
「……ここら辺でいいか」
『どーしたんですか?』
「カズ、真剣に答えろよ?」
『!』
かなり真面目トーンだ……
こーゆーの苦手だから適当にふざけようと思ったんだけどなー。
許してくれない、か。
「部活、どうだ?」
『……え?』
「だから、部活!ちゃんと楽しんでるか?」
『えー……』
何の話かと思ったら……
「Σ何笑ってんだよ」
『だってー、聞かなくてもわかるでしょー?』
「!……まあ、そうだけど」
俺はあんまし表情に出さないし、言葉にもしないからわかりづらいかもしれないけど……
それでも2年間俺達を真剣に見てくれた監督だから。
『すっごく楽しいよー。本当に、今までで1番かもー』
「!そうか、それなら良かった」
『でも人数少なくて試合出来ないのは嫌だー』
「Σそ、そうだなι 」
真剣に、応えたい。
『新入生たくさん来るかなー?』
「どうかな……あ、1人は決まってるぜ!いいアタッカーなんだよ!」
『そーなんですかー?信が今まで以上に騒ぎそうですねー』
「あ、だな(笑)」
「負けねー!!」って叫んでる信の姿が容易に想像出来る。
監督と顔を見合わせて、笑った。
『姫もちづも前向きに頑張ってるしー、今年は行けるかなー?』
「!……カズ、変わったな」
『んー、そうですかー?』
最初が最初だったからなー。
結構心配かけてたのかも。
監督、俺みたいな奴を放っておけない質だもん。
『……2年もあの中にいたら変わるよー』
「そう、だな」
『さー、大会まで時間ないですよー。練習練習ー』
「Σお、おう!」
監督の背中を押して、体育館に戻る。
俺が変われたのは、バレーがあったからだよ。
バレーをすることにして、この人達に会えたから変われたんだよ。
だからこそ、俺は本当にバレーが大好きだって
わかったんだ
(カズー、監督ー!)
(早くやろうよー!)
(カズ、ブロック飛べ!)
(俺ブロックフォローしたいです!)
(……ほら!)
(はーい、お待たせしましたー)
カズくんの熱い(?)お話(*^^*)
青春!だといいなぁ