時空の女神伝説
□最悪の出会い
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「(まあこの気分を払拭するために洗うかな〜)」
そう思い屈む。水面に自分の顔が写った…はずだ。
「(…………ん?!)」
自分…のはずだ。
「(誰?!)」
水面には、おそらく自分が美化85%されて写っていた。
「(な…ちょ…ぅえええ?!)」
ペタペタと顔に触れ、自分であることを確認する。
「(うん…ウチだ…)」
呆然と目をしばたたかせる。
「マジかよ…」
一言呟き、水の中に手を差し入れ水を掬い、顔を濡らす。
「…はぁー」
…ふと考えてみればこちらの世界に来てから初めての一人の時間だ。
東の空から朝日が覗く。まだみんなが起きるには早い時間帯なのか、とても静かで…少しだけ、怖い。
「(…にしてもリンクがフレンドリーな性格で良かったな〜)」
本当に心からそう思う。もし人見知りとかだったら絶対ウチ孤立してそこらへんで倒れていたかもしれない。
「(ただでさえ人付き合い下手だからな…)」
ざざざざ…
滝の音で、少しだけ沈んだ気分が紛れる。それと共に、背後に忍び寄った人物に気がつかない。