時空の女神伝説

□運命
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  ◇  ◇  ◇  ◇


「ん…あれ…?ここは、どこ?」
 


気がつけば辺り一面何もない真っ白なところにいた。



『女神よ…』

「へぇっ?!」
 


突然聞こえた声に思わずすっとんきょうな声をあげる。



「だ、誰?!」

『女神…あなたの運命《さだめ》は動き出しました』

「話聞けしww …運命…?ウチの?」

『はい。このハイラルを救う、時の勇者と共に旅に出るのです。それがあなたの運命…使命なのです』

「…っは?」
 


再びすっとんきょうな声をあげる。はてなマークしか出てこない。



「ちょっ…ちょっちょ…!なんでウチも…ってかさっきから女神ってなに?!そもそも誰だしこの声!」

『あなた様は時空の女神であらせられます』



やっぱスルーww



「は…?意味がわかんない…女神とかそういうキャラじゃないし…」



こんなフツーの人が女神とかww



「じゃあ証拠は?ウチが女神だって言える証拠があるの?!」

『はい』

「えっ?!」



即答かよっ



『あなたの左手首のブレスレット…それが時空の女神である確固たる証です』

「う、そ…いやいやいや、でもこれ一応貰い物…」

『それは母君から貰った物ではないですか?』

「…知らない」

『?』

「ウチは捨てられてんだもん」



ため息を吐き出してからウチは話し始めた。



「ウチは孤児院に捨てられてたみたい。その時にこのブレスレットもあったって聞いた」

『そう、でしたか…話しずらいことを…すみません…』

「ううん、ウチが勝手に話しただけだから」



ふ…と複雑な微笑みを浮かべた。



『…いずれにせよ、経緯は何であれあなたがそれを手にしていること…それは決まっていたことなのです』

「……」
 


ただ、黙ることしか出来なかった。



『突然のことで戸惑われるのも仕方ありません。ですが、どうかご自分の運命を受け入れてください…』
 


心なしか『声』は申し訳なさそうな声音だった。



「…うん、まぁ仕方ないよね〜…(運命、か…ほんとにそんなものがあるんだねぇ…)1つ、聞いてもいい?」

『はい』

「ウチは一体何者なの…?」

『時空の女神…それは遥かな時を越え、あらゆる空間を越えることのできる存在…』

「時を…越える…」

『…そろそろ目を覚まされるようです。私はこれで…』

「え、ちょっと…待って…」



お前さんは誰だーーーーっ!!


  ◇  ◇  ◇  ◇




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