Long Dream
□9. 1年と4ヶ月A
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「穴場だよ、穴場ー」
場所は分かりにくいけど凄く美味しいのとにこにこと笑い隣を歩く彼女。
今日の任務が終わり、彼女のオススメの店へと向かう間、
彼女と他愛も無い話をする。
と言っても話しているのはほとんど彼女の方で、
自分はそれに相槌を打つしかできなかった。
笑顔で色々な話をしている彼女の隣を歩くのは
慣れないというか、他の奴らには感じない違和感というか
くすぐったいような焦れったいような、
柄にもなく緊張してんのかと頭の片隅で呟いて、
気の利いた返答も出来ぬまま店に到着し中に入る。
入ると直ぐに店員にテーブル席へと案内される。
少し薄暗く落ち着いた雰囲気の店の割には
様々なところから話し声が聞こえ、
店の雰囲気に反してとても賑やかだ。
案内された席は三方を壁で囲まれ、残りの一方は暖簾がかけられているという
簡易的な個室だった。
メニューも様々で種類も多い。
彼女のオススメを聞きながら幾つか料理を注文し、
待つ間再び彼女の話に耳を傾けた。
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