ぶっく
□友達ごっこ ☆高尾和成
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私と和成は小学校からずっと一緒だった。
ただの友達……
ただの片思い………
なのに……
「あんた、高尾くんに付きまといすぎじゃね?」
「高校で知り合ったくせにベタベタしすぎたろ」
何も知らない和成のファン達は私に冷たく接し嫌がらせをしてくる。
私はただのバスケ部のマネージャー……そして友達なだけなのに……
「おーいティアラ!!
どーした?元気なくね?なんかあったの?」
何も知らない和成はいつものように話しかけてくる。
「ねぇ和成……放課後暇?」
「んー放課後?暇だぜ☆」
「じゃあ放課後屋上に来て……」
私はそれだけ言ってその場を立ち去った。和成が何か言ってた気がするけど無視して歩く。
そのあとの授業はほとんど頭に入らなかった……
そして放課後……
「で?用事はなに?」
「あのさ……」
私は和成に背を向けて……
「もうやめよ……?
友達ごっこ……」
「えっ?」
「友達ごっこは疲れたよ……貴方もそうでしょ?」
私は泣きそうだった……
本当は和成のこと好きなのに……
いじめられたくないから
一人になりたくないから……
もう和成と一緒にいるのは無理だった……
「何言ってんの?意味わかんない」
そう言って和成は優しく後ろから抱きしめた。
「ちょっ……離してよ……!!」
「やだ…離したらティアラ行っちゃうだろ?」
「離してよ……お願いだから……」
もう限界だった……私の目から涙が溢れ出た……
「友達ごっこだっけ?やめよっか☆だからさ……
今度は恋人ごっこしない?
もちろん本気で☆」
「和成………」
「ティアラ……大好き……」
和成はそう言って強く私を抱きしめた……
私は和成の腕の中で小さく微笑み
「私も…………好き……//」
「よしっ☆決まりだっ☆」
そして和成は優しく私の額にキスをした。
後日
和成が自慢気にいろんな人に話したせいで私たちが付き合っていることがクラス中に広まった……
不思議なことにそれ以来嫌がらせはなくなった。
本気の恋人ごっこ………
ずっと続くといいな☆●●