TMNT

□劇薬につき要注意
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ミケランジェロは暇を持て余していた。

ナマエが遊びに来るはずなのにどこに寄り道しているのか、中々やってこない。レオナルドは瞑想中だし、ラファエロは道場でトレーニング中。必然的にミケランジェロの相手をしてくれそうなのは彼しかいなかった。
口元に白いマスクをしてチョー前かがみ。何か面白いことをやっているに違いないと、ミケランジェロはスキップを踏んで隣に並ぶ。

「ドーナ!なにやってるの」
「これ?この前フット団と争ったとき、奴等が落としていった爆薬さ。それの改良」
「ふーん?この細い筒みたいなのがそう?」

ミケランジェロは、ドナテロが机一杯に広げて作業をしているものたちを指差す。ドナテロの言う爆薬とやらが五、六本。そのうちの二本は綺麗なまでに解体されていて、火薬に紛れてどぎついピンク色の粉が顔を覗かせていた。

「そう。見ればわかるだろうけど中に変な粉が内蔵されてて。分析してみたらなんと……なんだったと思う?」
「わかった、妖精の粉だ!体に振りかけると空を飛べるっていう」
「残念ながらネバーランドへはいけないよ。そうじゃなくて、この色からしてなにか想像できない?」
「ピンク?ピンク色の薬なんかでなにも思い浮かば、ふえっ」
「”ふぇっ”?」

突然変な声を出したミケランジェロをドナテロが不思議に思って見上げれば、彼はなんと、くしゃみをする寸前だった。ドナテロが慌てる前にミケランジェロの遠慮ゼロなくしゃみが炸裂。ピンク色の粉がぶわっと二人の周囲に舞い上がった。

「うわあああ!たた、大変だ!」
「うえっ、なにこれ変な匂い!げほげほ!」

ドナテロが焦った様子で近くにあったタオルをミケランジェロの口元に当てがったが、時すでに遅し。ミケランジェロの青い瞳がとろんと崩れた。

「まずいまずいまずいまずい」
「おいなにやってんだ」
「あーラファ、こっち来ないで!いややっぱり来て!」
「ああ?」
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