人見知り芸人@

□雨夢心
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**


「……っ…!!」




……ほら、まただ。

ここで決まって目が覚める。







「…あれ…?どうした?」

「……ごめんなさい、起こしちゃいました?」

「いや、いいけど………なんか、悲しそうな顔してるから…」



この人は、いつも優しい。

僕なんかに優しくしたって何も無いのに。



僕はいつまでこの人の好意に甘えていられるんだろう。





「……なんでもないですよ」





いっそのこと、この人を忘れたくなるくらい、散々振り回してくれればいいのに。

そして、バッサリ縁を切ってくれればいいのに……

そう思ってしまう。





「…でも、元気なさそうに見える」

「……そうですか?」

「なんかあったら言えよ?ともちゃんはなんでもため込んで、一人で悩んじゃうんだから」

「……はい…」





優しい、から。
だからこのままでいいや、と思ってしまう。







本当にいいのかな…?

有吉さんの大切なものを、僕が奪ってるんじゃないかな…?






「………有吉さん」

「ん?」

「…………僕、最近よく同じ夢を見るんです……」




隠しているのも失礼な気がして、全てを有吉さんに話す。




「……そんなこと気にすんなって…俺は、ともちゃんとこうしていれることが、一番幸せだよ?こんなに楽しいことってあるんだなって思ってる………………ともちゃんは違うの…?」

「……僕、は…」




窓の外は、雨が降り続いている。




「………幸せ…です……」

「うん………泣くなよ…大丈夫だから…ね?」




この雨は、いつ止むのだろうか。





end






2013.12.31


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