人見知り芸人A

□天然な先輩( 修正前フルver. )
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#1



「「お疲れ様でしたー!!」」





今週も、無事にレギュラー番組のロケは終了。アンタッチャブルの山崎さんと、バカリズム 升野さん、僕の3人でやっている。

今回も楽しかったなぁ....

余韻に浸っていると、誰かに肩を叩かれた。








「若林さん、お疲れー」





僕の憧れの先輩、バカリズム 升野さん。今日も笑顔が可愛い。

........可愛い?










「あ、升野さん、お疲れ様です」

「今日も楽しかったねー」

「そうですね、もっとロケしてたいです。寒いですけど」

「分かる、分かる、寒いけど(笑)」





升野さんは、普段あまり共演者と会話をしないらしい。

番組開始当初は、こんな風に、升野さんから話しかけてくれるのが、嬉しくてしょうがなかった。


......でも最近は、それだけじゃない気がする。
番組開始から半年が過ぎ、だんだんと打ち解けてきて...........謎の感情が湧いてくるというか.......うまく言えないんだけど










「ねぇねぇ、若林さん。俺って天然なのかなぁ?」




急に謎の質問




「まぁ僕は天然だと思いますよ」

「えー?どこが?」

「だってもう、見るからに...」

「そうなの!?」

「本当に天然な人は、自覚してないんですよ。最初はキャラじゃないかと思ってましたけど」

「違う違うw俺そんな計算して生きてないからw」

「ですよねー、カメラ回ってなくても天然ですもんねw」

「あははwうーん...天然かぁ...w」




...一応言っておきます。

僕は今、必死に平然を装っています。多分、バレてない。

最近、升野さんと話してると、どこを見たらいいのか分からないし、ドキドキが止まらない。

でも、ずっと話していたい。
俺の話で笑って、その笑顔を見せて欲しい。

.....何なんだよ、この気持ち!
まさか、好き、とか?

いやいや、きっとあれだ、先輩だから、憧れの先輩だからだ...












「........おなかすいた」

「...ですね」





な、...何だよその目...!
というか、僕より年上だし、年齢的にはおじさんだけど、めちゃめちゃ可愛いじゃないですか...!


.......あ、そういえばこの間、食事行こうって話してたな。












「あ、あの、升野さん...!」

「んー、何?」

「えっと.....」

「.........なに?若林さん大丈夫w?具合悪いの?」

「ち、違います......あのー、この後何かありますか?」

「ないよー?」

「あの、よかったら、おすすめの蕎麦屋さんがあるので、ちょっと行きませんか?」

「おー、いいね!」






やったー!!
食事に誘えました!!

これでもう少し話していられる。
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