人見知り芸人@
□こっちの気持ちも考えろ!
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*設楽視点*
ここは俺の楽屋。
イチャイチャ……
「有吉さーん…」
「んー?」
「なんか緊張してきた…」
「大丈夫だって、いつも通りにしてれば」
本番前の、俺の楽屋です。
「あれ?今日は前髪分けないの?」
「んー、なんか上手く分かれないんですよー」
「そうなの?………あ、いつもより髪サラサラだからじゃない?」
「そう!今日はなんかサラサラしてるんですよー」
女子か。
「調子いいの?」
「はい!…あ、有吉さんはふわふわですね」
「分かる?」
いや、知らねーよ。
「ともちゃん、目瞑って」
「え?なんですか?」
「…まつげになんか付いてた」
「ふふっ(笑)ありがとうございます」
「いえいえ」
何なんだ?俺が見えてないのか?
「あーりよしさーん」
「何ー?」
「今日も楽しくしましょうねー」
「もちろん」
「……本番前の充電します?」
「…しちゃう」
「「ちゅー」」
「ちょっと待て!!」
「「え?」」
なんだよその顔……当たり前のようにキスしようとしてんじゃねえ。
つーか、ベタベタし過ぎ。
「お前らさ、ここ一応、俺の楽屋なんだけど」
「それは知ってますよ」
「……だったらイチャイチャイチャイチャしてんなよ」
「ごめんなさい、設楽さん…」
「まあまあ、いいじゃないっすかー」
「よくない」
「充電だけさせてくださいよ」
「ダメに決まって「ちょっ、有吉さんだめですよー」……おい」
「いいからいいから…」
「ふふっ(笑)これで本番頑張れますね」
「そのあとの本番もな」
「もう、有吉さん最低ー」
「あはは(笑)」
もういいや、ほっとけ。
そもそも、こんなことになっているのは、俺がヒデを楽屋に呼んだからだ……
あ、ヒデっていうのはバカリズムのことね。
**
俺は局の廊下で、ヒデを見つけた。
「お、ヒデ久しぶりー」
「設楽さーん、お久しぶりです!!」
笑顔で駆け寄ってきて、上目遣い。
うん、可愛い。
(俺より背が低いからって理由もあるけど)
そんな会話をし、なにやら話があると言うので楽屋に呼んだ。
するとどうだろう。
見事に有吉の愚痴と言う名のノロケ話を聞かされた。
「有吉さん、楽屋とかでもいろいろしてくるんですよー?有吉さんの楽屋は、すぐ寝れるような環境だから大変なんですよ…」
「……ああ、そうなんだ」
今日の楽屋は、和室の楽屋で、床は畳。
俺の事を警戒している様子はこれっぽっちもない。
まあ、いいことなんだけど…………今すぐ押し倒してやろうか?
そんなことを思っていると、今度は有吉がやってくる。
俺の楽屋に。
「おはようございまーす」
「おはよう」
「有吉さーん」
やっぱり押し倒した方が面白かったかな
**
………というわけで、この二人が俺の楽屋でイチャイチャしている理由がこれです。
俺がヒデを楽屋に呼んだからです。
「……ねー、二人はさ、どこまで進んだの?」
「へっ?」
「あー、行くとこまでいきました」
「っな……なに言ってるんですか…!!」
「ははは(笑)ヒデ、子供みたいだな!」
「そうなんですよ、ベッドの上では、「ストップ!!」」
「えー、なになに?」
「もう!!僕戻ります!!」
あ、出ていっちゃった。