04/08の日記

17:26
走れメロスと新ハムレットのこと
---------------
強風とは裏腹にホンワカパッパな(どういうことだ?)日々が続きますが皆様如何お過ごしでしょうか?

今日は「走れメロス」と「新ハムレット」を取り上げます。

「走れメロス」は太宰中期の代表作で、教科書でもよく取り上げられている作品です。非常に簡潔で力強い文体で人間の信頼と友情の美しさ、圧政への反抗、正義が表現されています。しかし、唯明るい訳ではありません。暗さ、不安に迷い、苦しみに耐えて息吹いた健康的な明るさなのです。この明るさがこの作品に奥行きを与えています。

ちなみに、「走れメロス」はギリシアの伝説から発展した話ですが、もう一個エピソードがあります。それは親友檀一雄と旅館に泊まった折に、料金が足りず、檀を旅館に置いて、太宰が師の井伏鱒二に借金しに行ったが、中々太宰が帰ってこず、檀が井伏の家に行くと、太宰と井伏が囲碁を打っていたという話です。檀は勿論激怒しますが、太宰はこう言ったそうです。「待つ身が辛いか、待たせる身が辛いか」と。

「新ハムレット」はシェイクスピアの「ハムレット」を元に戯曲の形をとりなふがら、自由奔放に、自己の、そして現代人の心理を描いています。 登場人物を通じ、少し饒舌過ぎる位に太宰の経験を語っています。悲しみ、愛、エゴイズム等太宰が考えてきたモチーフが網羅されています。しかも、台詞を通じて、太平洋戦争に突き進む日本を批判するという非常に勇気ある行動を起こしています。このようなことは当時、稀有なことでした。

今回はここまでにします。うん、難しい。

長文乱文失礼しました。

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ