はじめてのおつかい
□1話
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ここはパンドラの本拠地であるカタストロフィ号の一室。
能力が不安定な彼女のために用意された部屋だ。
「ウツミ先生のおかげで、ようやく書き上げることができました!」
しょうさへ
千里は、パソドラのためにおしごとをしてきます。
まぎさんたちにさがさせないでください。
千里より
外見よりも遥かに幼い字を書く彼女、千里は約一週間の準備期間を経てある目的を果たそうとしていた。
「地図、コンパス・・・おやつ分のお金もちゃんと300円以内です!」
このカタストロフィ号は、オーストラリアに向かっているそうなんです。
でも千里は女王に会うために日本に行かなくてはなりません。
だから、この船から皆に黙ってテレポートで脱出するのです。
「一回で日本にはいけませんから、まず近くの船に・・・」
リモートネス・クレヤボヤンスを発動するためにこめかみに両手をそえた。
そのとき
「千里?」
サングラスをかけた長髪の女性が部屋に入ってくる。
「わっも、紅葉おねーさん!?」
「そんなにあわてて・・・何、その荷物?」
どうしましょう。見つかってしまいました・・・。
澪おねーちゃんに見つけていただいてから、千里は一度もこの船から降りたことがないのです。
それなのに、今はリュックを背負っているので紅葉おねーさんに怪しまれているのです!
「これは・・・あのですね」
歯切れが悪くてさらに怪しまれてしまいます。
そして、ふと紅葉おねーさんはテーブルの上におかれた手紙を見つけ、手に取る。