はじめてのおつかい
□2話
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「うわぁ、久しぶりの日本です」
パンドラのメンバーになってからというもの一度も地上に降りたことのない千里は、新鮮な気持ちでマンションをでた。
「えぇっと、まずはバベルを探さなくては!
あれ?でも女王は中学校ですかね」
でも、土曜日はきっとお休みですよね
あれこれ思案するが、何れにしてもまずは地図だと思いリュックから地図を取り出す―
が。
地図を開こうとしたところで千里はあることに気づいた。
「これ・・・世界地図です!」
テレポートで日本まで来るつもりだった千里は、世界地図を用意していたのだった。
項垂れるが、はっと思いつく。
「こういうときは『おまわりさん』って葉おにーさんが言ってましたね!」
そして辺りを見回す千里。
「って、今千里は『はんざい』組織にいるんですよね!?わざわざ捕まりに行ってどうするのですか!」
迷子といっても身元が確認できずアウトなのだ。
「葉おにーさん、うそついてたんですね・・・」
といっても、普通の子供には正論なのだが。
さらに項垂れる千里。
八方塞なこの状態、どうするべきか悩んでいると
ぐぅー
「はっ!!」
横断歩道の手前、一人悶々と考えていた千里は、腹の音で我に返った。
空き腹を抱えたままでは、いい案はでないだろう。
「まず何か食べるものを!はらがへってはなんとやら、ですね!」
首からさげた小さな小銭入れ用のポーチを握り締め、前方に見えるスーパーへと向かった。