09/18の日記
21:11
BLEACH 生まれ変わった人
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夢主の名前は"ハク"です
それは、まだ、私が生まれ変わる前の話。
15歳、高校生。
まだ新しい制服に身を包んだ私と"彼"は、いつも通り一緒に登校していた。
「相変わらず肌白いなーすごー」
「男が白いなどと言われて嬉しいものか」
呆れたように"彼"は言う。
「いやいや、でも格好いいし美人さんだし・・・」
「・・・そうか」
"彼"は無表情だし無感情な部分もあるが、一応最低限の感情と言うものはあるのだ。
照れてる。
長年の付き合いだ。
"彼"の些細な表情の変化なんてすぐにわかってしまう。
「俺は・・・、」
"彼"はそこで口を噤んだ。
「なになに?」
「俺は、お前のこと綺麗だと思ってる」
「・・・、っ」
ばか!
と、思い切り叫びたくなった。
"彼"はさらりと恥ずかしいことを言ってのけるから嫌だ。
「あかんわ・・・こんなイケメンさんが私の彼氏なんかでええの・・・?」
若干関西弁が混じってしまった。
明らかに私等吊り合わないだろうよ。
「いいんだ」
「え、?」
「吊り合わないとか、関係ない。大事なのは俺とハクが、お互いを好きかどうかだ」
「・・・そ、うだね・・・」
そんな、青春の1ページだった。
「あぶない!!」
"彼"は、私の目の前で死んだのだ。
私はただ"彼"に危険だと、あぶないと伝えることしか出来なくて、"彼"を守ることが出来なかった。
逃げていった車。
コンクリートが赤黒く染まっていく。
「ハ、ク・・・」
"彼"はもう虫の息だった。
私は泣きながら"彼"にかけよった。
「・・・死なないで、死なないでっ」
「は・・・く、なく、な」
"彼"はふわりと笑った。
私は頷いて、泣くのをこらえた。
「あい、して・・・る」
「・・・っ」
血に染まった手が私の頬を撫でる。
私の頬が血まみれになるけど、今はそんなことどうだっていいのだ。
「私も、愛してる・・・!!」
"彼"は、満足気に、またひとつ笑って。
"彼"の血濡れの手が、ばたりと冷たい地面に倒れた。
私は新しい制服が汚れるのをかまわず、"彼"を抱いた。
まだ少し残っているぬくもりを離さないように。
唇にキスした。
ああ、もう。
私達、一度もキスしたこと無かったじゃん。
今更するなんて、馬鹿みたい。
鞄の中からカッターナイフを取り出して、胸に突き刺す。
戸惑いなんて無かった。
これで一緒に逝ける。
「やっぱ、生まれ変わっちゃったんだな」
15歳、高校生。
まだ新しい制服に身を包んだ私は、いつも通り登校していた。
精神年齢は・・・15×2ですけどなにか!!?
・・・ねえ、貴方は今、この世界に居ますか。
私の居るところにいますか。
絶対探し出してみせる。
あの無表情で、ムカつくぐらい肌が白い、美人な彼氏を。
「――ウルキオラ」
絶対、見つけ出す。
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