物語
□何でもないようなことが
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※仁先生と咲さんの間に、双子ちゃんが生まれた設定ですので、苦手な方はご注意ください※
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咲「先ほど、喜市ちゃんの所に寄ったら、二人にこれをと…頂きましたよ」
唯「わぁ、かぶとむし!」
悠「わぁっ、みてちちうえ、おおきいのが3びきも!」
仁「どれどれ……お、立派なツノだなぁ!かぶとむしは力持ちなんだぞー」
双子「ちからもち〜?」
仁「そう。重い物を引っ張ったり…あ、ちょうどいい、この紐をこう、ツノに結んで…」
双子「ワクワク♪♪♪」
そんな光景を咲が微笑みながら眺めていると、誰かがポンと咲の肩を叩いた。
恭太郎「咲。賑やかだな」
咲「兄上!」
恭「近くまで来たので、皆の顔が見たくなってな。」
咲「そうでございましたか。」
恭「ときに咲、何やら嬉しそうに笑っていたようだが?」
咲「え? ……はい。私は…幸せ者だと、考えている所でございました。」
恭「?」
咲「…今までいろいろな事がございましたが… 雨風・暑さ寒さをしのげる家に住まい、飢えぬ程度に空腹を満たす事もでき…… 何より、大切な人達と笑い合い、時には喧嘩もできる、かような日常を過ごしている私は…なんと幸せ者かと。」
恭「……」
咲「…そんなごく普通の日々を、たまらなく愛おしく感じるのでございます。」
恭「……そうだな。何よりも、南方先生と子供たちの笑顔は、お前を癒やし 支えてくれよう。」
咲「…はい。」
恭「お前が幸せなら、なによりだ。」
咲「はい…。」
恭 (全く、以前結納を放り出してくれた際は、誠にどうしようかと頭を悩まされたものだがなぁ〜) ←小声
咲 (っっ!? あああ兄上、そ、そ、その件はもう言いっこなしでございます!何度も謝ったではございませぬか〜…今でも、誠に誠に誠に申し訳なかったと、心からっ………)
恭「ハハ、わかっている。冗談だ」
咲「……もぅ」
恭「私とて内心、お前が先生への想いを貫いたのは 良かったと思っていたさ、あの時からな」
咲「兄上…」
咲「…して……、兄上のほうは、最近いかがでございますか?」
ちょっぴり悪戯っぽい笑顔を兄に向ける。
恭「んっ!?……あぁ…まぁ…それなりに、だな。う、うん」
咲「さようでございますか♪ふふふ」
仁「あれっ、恭太郎さん!いつからそこに?」
悠「あー、おじうえ!みてくださいませ!かぶとむしがにもつをはこんでおりますー!」
恭「おっ!見せてくれるか?」
ワイワイと楽しげに興じる4人を眩しそうに見つめてから、咲はお茶を淹れに 台所に向かった。
・終・
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(ちょこっとあとがきという名の補足)
たぶん、恭太郎さんは新婚かなんかで、軽く 妹にからかわれてるってイメージです
↑相変わらずいい加減
咲さんに対する、恭兄の父性溢れる優しい立ち位置、大好きです!
お粗末様でした。
それにしても季節感ない!
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