夢小説

□ネクタイ/桐生
1ページ/1ページ

「桐生さんってしないんですか?ネクタイ」
「ネクタイか…しねぇな」




ネクタイ



自宅に帰宅すれば早速シャワーを浴びようと歩きながらジャケットを脱ぎ始める。
その後を追いながら話しかける。


「カッチリしますし、絶対いいと思いますよ!真島さんもそうですけど開けすぎなんですよ、胸元」
「兄さんと一緒にするな。俺だって冠婚葬祭の時位はするからな…黒ならあるが」


そのまま寝室まで向かいクローゼットを開ければ奥の方からネクタイを引っ張り出す。
それをなまえに見せるが、ん〜と考え込むように唸りだし


「なんか、他の人がしてるものより短くて細く見えます」
「あのなぁ…」
「それは今度測るとして、さっそくしてみて下さい」
「お前のネクタイの基準がわからん」


ワクワクしながら自分がネクタイをするのを待っているなまえに仕方ないと溜息を吐くとワインレッドのシャツのボタンを上まで閉めていきパパッと手際よく首に結んでいく。
普段してないにも関わらず簡単に結んでしまった桐生になまえは少々残念に思いつつも、その姿を堪能しようと少し桐生から離れ全身を見る。


「似合いますよ!見慣れないから違和感ありますけど…」
「そうか…だが、慣れないな。首もとが鬱陶しい」



そう言えば第一ボタンを早々に外し、ネクタイの結び目をグッと引っ張り解き再び元の紐状に戻る。
なまえはといえばいつの間にやら携帯を片手に構えており。


「あぁ!勿体無い……写メ撮りたかったのに」
「誰に見せるつもりだ」
「遥ちゃんとか秋山さんとか、真m」
「兄さんだけは勘弁してくれ」



桐生の話を聞いているのかいないのかなまえは唇をとがらせポチポチと携帯をいじりながらベッドに座り込む。
桐生はなまえの目の前に立ちスッと携帯を取り上げサイドテーブルに置く。
目の前から見ていた液晶がなくなれば桐生の方を見上げ何事かと首を傾げる。


「なまえもネクタイしてみないか?」
「え、私ですか?良いですけど、男性用じゃ長くないですか?」
「長いくらいがいいだろ」


そう言われ、桐生に両手を掴まれるとあっという間に後ろ手に手首を縛られ押し倒される。
あまりの出来事に何もできずただ桐生を見つめていたがふっと我に返り体をバタつかせる。


「良く似合ってるぜ?」
「よっ用途が違います!」



普段でさえ抵抗しても無駄なのに、縛られていては尚のことかなうはずもなく。
とはいえ、無駄だとわかっていてもこのまま受け入れるのも癪なので逃げようと必死になる。


「とりえず、お風呂に・・・ほら、桐生さんいつも先にシャワー浴びるでしょう?」
「今日は先に食べてからにする」
「食べるものがちがーう!!」

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ