夢小説

□猫パンチ/真島
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ニャー



猫パンチ




今日はなまえが休みで真島の家にいてくれるという事で半ば無理矢理仕事を終わらせ、なまえが好きなケーキを手に意気揚々と帰宅するがやはり出迎えはなまえではなく。

「またお前か…ええ加減なまえちゃんに迎えられたいんやけど」

ニャー


まぁええわ、と靴を脱ぎケーキを持ってキッチンへ向かう。
猫は律儀に真島の後をついて行く。
キッチンはといえばなまえが料理を作っているらしく鍋やフライパンの前に立ってせわしなく動いている。


「ただいまなまえちゃん」


そう言って後ろから抱きつき、ちょっとセクハラでもしてやろうとするが

「あ、お帰りなさい真島さん。もう少しでできますから座って待ってて下さい。」
「・・・・はい・・」


あまりにも屈託のない笑顔で返され返事をするしかなく、やり場のない手を下げ大人しくケーキを冷蔵庫へしまう。
言われたとおりキッチンをあとにし、リビングまで行けばソファーにドカッと座り込み天井を見上げる。
なまえが来るとき以外ほとんど帰らないこの部屋に未だ違和感を覚えつつ、なまえという存在を感じるだけでその部屋も癒しの空間へといることもわかる。


ニャー

「はいはい、お前もおるしな」



なまえの家に始めて行った時から何故かなつかれ、会う度にすり寄ってくるなまえの飼い猫。
今も足元にちょこんと座り込み尻尾をくにゃりと揺らしながら真島を見上げる。
その猫をひょいと抱き上げ自分と向かい合わせに座らせれば前足を持って遊びだす。
ふと真剣な表情を見せ猫を見る。


「俺がおらん間なまえを守るのはお前なんやで?でも、俺がおる間はなまえちゃんは勿論お前も守ったる」

ニャー

「・・・ええ子や」


真島の言葉の意味を理解してるのかしてないのかはわからないが、猫も一声鳴く。
真島もいつものように笑いながら猫の喉元をぐりぐりとなでる。


「すみません、こんなに早く帰ってきて下さると思ってなかったので煮物にしちゃって・・・もう少し待ってて下さい。」


猫と戯れていれば、声と共になまえがキッチンから出てきて真島の隣に座る。


「ええか?もし変なんが来たらこうするんやで?」



そう言えば、再び猫の前足を取りなまえに向かってシュッシュッと効果音をつけながら猫の前足をなまえにぷにっと当てていく。
その度に腕に肉球が当たり、くすぐったくなりつつも何のことかさっぱりわからずに。


「やるんかぁ?ええ度胸しとるやん!」
「変なのって私のことですか?」
「ちゃうちゃう!ちゃうけど、なまえちゃんは知らんでええよ」


そうして二人と一匹で戯れるのである。

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