夢小説
□酒/桐生
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「桐生さん、勝負しましょ!」
「正気か?」
酒
なまえは一升瓶と缶入りカクテルをもって桐生の隣に座り込む
大きなグラスを桐生の前に置けば日本酒を注ぎ、自分の目の前にはショットグラス程のものを置いて缶カクテルを注ぐ。
「桐生さんは日本酒でこのグラス、私はカクテルでこっちのグラス」
「まぁ、ハンデとしちゃ妥当だな」
なまえはクッとグラスのカクテルを一気に飲み干し、どうだと言わんばかりに桐生の方を見る。
その反応に飲まないわけにはいかないと、桐生自身もグッとグラスを煽る。
それを見ればすかさず桐生のグラスに日本酒を注ぐ。
「なまえも飲むのに慣れてきたみたいだな」
「桐生さんと一緒に飲みたかったんです。いつも私はソフトドリンクで皆さんが楽しそうなのを見てるだけだったので」
「とはいえ、俺に勝負を挑んできたんだ。最後まで付き合ってもらうぞ」
「…はい、のぞむところです」
二人でフフっと笑いながらグラスのアルコールを飲み干しては注いでいく。
「まぁ、そうだろうな」
数時間もすれば完全になまえは酔いつぶれ、桐生の太ももに頭を乗せ膝枕状態で静かに寝息をたてている。
なまえの頭を優しくなでながら、つまみも特に出すことなく酒を飲み続ける。
「なまえ…愛してる」
唇にキスを落とせば、カクテルの甘い味が桐生が襲う。
なまえは、うーと眉間にしわを寄せ唸ってから少し身を捩り再び静かな寝息に戻る。
そんななまえに桐生は薄く笑みを浮かべ、残された甘い液体を飲み干す。