少年探偵SoMa

□プロローグっ!
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こごちよい、春の風が吹き

上を見上げると、澄んだ青い空。

辺り一面に桜が咲き誇り

子供たちの楽しそうな笑い声が聴こえる。



ああ、今日はなんていい入学式日和なんだろう!
こんなに清々しい日は初めてなんじゃないだろうか。
横に不気味〜なオーラを醸し出してる奴がいるが、そんなの無視無視!
とにかく、最高の一日になりそうな予感!
たのしむぞぅ☆


おっと、自己紹介がまだだったね!
あたしは四ノ宮 藜。
今日からF中学校に入学する、ピッチピチの1年生。
得意なことは、剣道。
詳しく説明するのは今度にして、とにかく、小学校の時は県一位だったほどの実力だ。
なんと、全国チャンピオンとも知り合いだったりもして、メールなんかもしちゃってます。
でも、だからと言って剣道が好きって訳でもない。
確かに試合に勝てたら嬉しいし、汗をかいたりするのも好きだけど(臭いけどね)、毎日の練習は厳しいし、周りからの期待はあたしにとって重たすぎるし。
最近は殆ど練習してない。したとしても、体を慣らすための素振り程度だ。
そして、好きな物は ー 小説だ!
読むのはもちろん、書くのも好きである。
自分を表現したり、登場人物のキャラクターの気持ちになったり…。
とにかく、楽しい!面白い!
だから、部活に入るなら文芸部って決めているんだ。
まぁ、ここまでの本好きになったのは、隣の奴のおかげでもあるけどね。

隣の奴…疾川 奏真の。

一見、目が細く、髪が長く、身長が低く、女の子にも見えるこいつは、あたしの幼馴染。
ある意味不良でもある。
なぜなら、小学校の頃、不登校だったからだ。
しかもその理由が…
"勉強なんて家で出来るし、それに、小学校の勉強なんて習得済みだもん。楽しくないじゃん。"だ。
…そこの君、イラっとこなかったかい?
あたしはこれを聞いた時、少々、いやかなりイラっとしたよ。
殴ってやろうかと思ったね。
あれ、本当に殴ったんだっけ?
とにかく、こんな見た目と中身とが全然違う奴の影響で本好きになったのだ。なんてこった。

そして、こんな奴にあたしは…あれなのだよ。

ほんと、世の中どうにかしてるぜぃ!
今日でさえこいつを連れてくるのに苦労したってのに、
どうして、あたしは…(涙)。
まぁ、考えたって無駄だ。
今日、この爽やかな一日をとにかく楽しむのだぁああああ!!!







この時、


あたしは


まだ知らなかったんだ。


この後に起こる悲劇たちを。


そして、






これからの無茶苦茶な人生を。
 

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