捧げ物

□あの子誰?
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入団してから初めてとれた休日
思わず寝過ごしてしまったので軽く体を動かそうと鍛錬場に向かった(というかじじぃに部屋から蹴り出されたさ)

そこに近づくにつれ、なにかがぶつかり合うような音と、声がが聞こえてくる

「くうっ」

「おら、脇あいてんぞ
隙を作るな」

聞いたことある声…
記憶からするに、恐らく片方は神田ユウだろう
もう片方は知らない
任務にでもいってたのだろうか

それにしても乱暴なのは変わらないのに、どこか優しげなユウの声にかなり驚く
俺なんて罵倒されてばかりなのに…っ!!

そう思いながら鍛錬場に入ると、ユウと少女が竹刀をぶつけ合っているのが姿が目に入る

正直、かわいいと思った

自分のストライクゾーンは綺麗なナイスバディなおねぇさんなのだが、それでも一瞬目を奪われてしまう

それにしても、押されているとはいえ、ユウとやりあうだけの力がある自分よりも小さな少女に驚く
そして、女とは無縁なような気がするユウがその子と一緒にいて、いつもより本の少しだけ柔らかい表情を向けていることにも

そのまま眺めていると、少女が持っていた方の竹刀が割れてしまい、勝負がつく

「っあ〜…
やっぱ強いね、ユウは…」

「当たり前だ
剣で俺が負けるわけねぇだろ」

驚愕すべきポイントがまたひとつ増える
あのユウが、
あのユウが!!名前を呼ばれて起こらないなんて!!
俺なんて最初刻まれるかと思ったさ!!

俺が驚愕で一時停止している間に少女は「手合わせしてくれてありがとう、シャワーでも浴びてくるね」と言って俺が入ってきた方と逆の出口から出ていってしまう

一人になったユウに少女の話を聞こうと近づくと案の定しかめっ面をされた

「やっほーユウ」

「俺の名前を口にするんじゃねぇ」

「えー
さっきの子は怒ってなかったじゃん」

「…何が言いたい」

「あの子はユウにとってなんなんさ?」

「記録か?Jr.」

「えー?
ただ単に、好奇心♪」

ユウのいう通りブックマンとして教団のことを知るためってのも少しあったけどほとんど好奇心
こうなったら根掘り葉掘り聞いてみるさ♪

「教えてくれるまで離れないさ」

「…ちっ
あいつはクリア、エクソシストだ
体にほとんど変化はないが寄生型らしい」

「へー
あり?ラストネームはないの?」

「捨てたんだと
理由は俺がいうことじゃねぇ、自分で聞け」

めんどくさそうにしながらもユウが話してくれる
それにしても理由ってなんだろ、まさかあの子孤児とか?

「他には?」

「大人…というか教団のやつ以外は嫌いだな
逆に教団のやつは大好きだ、家族みたいに思ってる
あとティアとかなり仲がいい」

「ティア?
誰さ?」

「自分で聞け
まぁあいつはクリアが大好きだからなんかしたらキレるぞ
っつーか、」

スッとひんやりした何かが首に当てられる
それがなんなのか認識した瞬間血の気が引く

「あいつに手を出したらてめぇをぶった切る」

「は、はいっ」

人の首に己の対アクマ武器を当てて恐ろしいことをのたまう目の前の男
こいつなら本気で殺りかねないから更に恐ろしい

俺の返事を聞いたユウはひと睨みすると部屋から出ていく
途端に体が脱力し、座り込む

「こっえー…
あれもう人殺しの目さ…
でもわかったさ、あの二人の関係
こりゃ周りも大変そうさぁ」

少しにやけながら立ち上がる
取りつく島もないような男がこれほどまでに執着する少女についてもっと知りたいから、直接話に行くことにする

鍛練じゃねぇけどこれならじじぃも許すと思うし、早速行くさ♪




あ、勿論手は出さない方向で!!
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