03/18の日記

12:29
act 6 優しき悪魔
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孤独ってさ、人間にとって何よりも辛いものだと思うんだ
ほら、人っていう字は二人の人が支えあってできる、とか聞いたことあるでしょ
私には支えてくれる人はいない
ずぅっとひとりぼっち
寂しさを紛らわすために人形を作ってみた
うまくできた
でも、やっぱり違うんだなぁって感じちゃった
でも他にすることもないし、なにかをしてたら時間を忘れられるからたくさんたくさん作った
少し、賑やかになった
で、泥棒にはいられちゃってほとんどが連れて行かれた
残ったのは特に良くできた姉弟人形だけ
また、屋敷は静かになった

毎晩毎晩、信じてもいない神様にお願いした
誰かと話がしたい
一緒にいたいって

ある日、神様がお願いを叶えてくれた
私の屋敷に兄妹が訪ねてきた
訪ねてきたと言っても、森に迷い混んじゃって明かりがほしいからって来たみたいなんだけどね
それでも、スッゴク嬉しかった
夜の森は危険だと言って、なんとか留めることができた
その晩はパーティをした
ウザがられるぐらいに話をした
引かれるくらいに笑った
人形を見せたらすげぇ、と誉めてくれた

本当に、幸せだなぁと感じた

でも、朝が来て二人が帰り支度をするのを見てたらまた自分は一人になるんだなぁ、と思い出した
パーティーってさ、終わったあと帰っていく人たちよりもそれを見送る人の方が何倍も寂しいんだよね

嫌だった
本当に、一人になりたくなかった

だから、心のなかで謝りつつも閉じ込めて、薬を使った
そして、この屋敷の住人だと思い込ませた
びっくりするほどうまくいって、私は一人じゃなくなった
二人も笑っててくれたから、多分、幸せだったんだと思う

で、考えたんだよね
私みたいにひとりぼっちの子達を集めてみんなでここで暮らそうって
毎日毎日パーティーしてさ
寂しさなんか感じないように笑ってさ

それから、きったない字を頑張って練習して、きれーな紙で招待状を書いて
ひとりぼっちの子達に送ってみた
一気にたくさん来ても歓迎しきれないから一人ずつ、ね

最初は、双子が悪魔の使いだって信じられてた村で生まれちゃった黒髪の双子ちゃん
とっても可愛い顔なのに殴られたりとかしてアザだらけでさ
先によんだのはお姉ちゃんの方
妹をかばってたんだろうね
こっちの方がひどい怪我をしてた

妹を呼んだのはその一週間後
でも、もっと早く呼ぶべきだったかなって少し後悔した
一週間ひとりぼっちにしちゃって、死人みたいな目をしちゃってた
でも、屋敷の住人になってもらうのには時間がかかるから仕方なかったんだけどさ
屋敷に来たときお姉ちゃんに抱きついてずーっと泣いてた

次は…確か流行病だっけ?で天涯孤独になってた男の子
村に食べ物がほとんどなくなったらしくてすごく痩せてたからパーティーで一杯ご飯を食べさせておいた

他にも何人か呼んでみたんだけどさ
全然来ないんだよね
しょうがないから諦めたけど、さ
狼に食べられ足りとかしてないといいな

この間は忌み子って呼ばれてる子とずっと一緒にいた子を呼んだ

で、今日のお客様はその忌み子ちゃん
白くてきれーな肌に赤いお目目
何でこんなかわいい子を忌み子だなんて言うのか私にゃわからん

ねぇ、君もひとりぼっちなんでしょ?
だったら…この屋敷の住人になって一緒に楽しもうよ?
ここには君をいじめる人なんていない
だから、さ
早く『舞台』が終わる前に…








「で、カルトはどこにいる?」

にぃっと薄い唇の端を吊り上げ村娘が笑う

「僕はここには住まない
カルトと一緒に帰ることが僕にとって最高のハッピーエンドでトゥルーエンドだ」

「帰る?どこにだ?」
「あなたに帰る場所があるんですかー?」

女主人とメイドが呟く

「「どうせ、帰ったって歓迎されない」」
「カルトさんがいたって、君への待遇が変わるわけではないんですよ?
なら、ここにいた方が幸せでしょう」
「助けてって叫んでもだーれも見向きもしない」
「迫害を受けて傷ついてそれでも生きなくちゃいけなくて」
「一人ぼっちで生きる
…それが、本当にハッピーエンドですか?」

吐き出すように紡がれた言葉をエリオは鼻で笑う
はっ、と息を吐きだしてニヤリと笑う

「バカみてー
僕はな、カルトがいればそれでいーんだよ
たった一人でも自分を絶対裏切らない、捨てないって信じてるやつがいればどんな地獄でだって生きていける
お前らみたいに、現実から逃げてるやつと一緒にすんな」

「いい答えだな」

エリオの言葉に男主人が笑う
エリオが向けられたなかで、一番柔らかい笑みだった

「だが、それを許すわけにはいかねーんだよな」

ジャリッとガラスを踏み、一歩踏み出す
十分息を整える時間があったエリオはガラスを握りしめたまま逃げる体制を整えた

ピンっと緊張の糸が再び張り詰める

―そういえば、なぜ止まっている時計の音がなった…?

ふと、頭のどこかがその矛盾を引っ張り出す

『舞台』を正しく終わらせればカルトに会えるんだったよな

舞台を終わらせる鍵は…

キラリと冷たく光った…

「あぁ、なるほどな」

終わらせてやるよ
クレイジーナイトを

「……みーっつっけた」


★あとがき★
ごめんなさいごめんなさい大事なことなので三回いってみようごめんなさい
あははー、暴走しすぎた
アカンてこれは
やり過ぎたって
てゆーかあと続けにくそうな展開になってしもーた
つーかレンとクリアとティアは何がしたいのか自分でもわからん
キャストの皆さん全く動いてねー(笑)
トート君が一歩踏み出しただけだ(笑)

あとがきがすでにカオスな展開になって来たからここまでにしよう

それでは皆さんまた来週ー
じゃない
時雨さんお願いしまーっす!!

では!!

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