03/29の日記

08:06
第一章 小康ジェミニ
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昔々あるところ

自然に囲まれ、繁栄していた国がありました

その国の頂点に君臨するのはなんと十四才のうら若き少女

そして、彼女を支えていたのは顔のよく似た、召使いでした

それでは、その二人のお話をするといたしましょう

















ゴーン、ゴーン、ゴーン

大きな鐘の音が三回城に響く
午後三時だ
この時間は俺の使えている主が一番好きな時間
その時間を彩るのは俺の手作りのおやつ
もちろん、この国一番の茶葉を使った紅茶も欠かせない
そんなわけで城の王女の部屋で俺は今日のティータイムの準備をしているわけだが、
が!!
一つ言わせてもらってもよいだろうか?

「王女…何をしているのでしょうか…?」

「抱きついてまーっす!!」

っすよねー…
ま、この時間はこの部屋は二人きりな訳だから抱きつかれるのもいつもなんだが、なんか今日は変なとこさわられてるって言うかぶっちゃけ揉んでるよな?これ

「王女、人はそれをセクハラと言いま、す」

「ぬははー、よいではないかよいではないか
てゆーか今びくってしたね?かんわいいなぁティアは!!」

テンションが酔っ払った親父のようだ

「準備が出来ないので離していただけると…「嫌!!」

予想通りの返答
そして、次の言葉も

「言葉遣い
直してくれたら離してもいいよん♪」

「…いつも言っておりますが、俺は召使いで貴女は王女
身分が違います」

「いつもいってると思うけど二人きりの時くらい名前で呼んで
私たち双子でしょ?」

背中に押し付けられた顔からすこしだけ寂しそうな声
腹部に回されている腕に少しだけ力がこもる

「あーもう、分かったよ
準備してぇから離してくれ、マシロ」

「りょーかいっ♪」

名前を呼ぶと背中の圧迫感が消え、自分とよくにた顔がふにゃりと笑う

この国を背負っているとは思えない、柔らかい笑顔

はじめて会う人間ならこんな子が、『悪の娘』と呼ばれているなんて思わないだろう

確かに、メイドたちにセクハラしたり門番たちにいたずら(意味深)したり「ロリが足りない!!」とか叫んではいるが

それでも

みんなは知らないだけなんだ
マシロがとても優しい子なんだって

そんな君に笑っていてほしいから

「なぁマシロ」

「んんー?
なにかな?」

「俺はお前を守るためになら、悪にだってなる
だから…」

お前は笑っていてくれ

そう言おうとした口は途中で機能を停止する
理由はマシロの驚ききった顔

「ついに…ティアにも来たんだね」

「え、なにg「ティアの中の中学二年生が大暴れする時が…っ!!」

ち…

ちっがぁぁぁぁぁぁう!!

「あの、マシロさん?
どういう解釈をしたのか知らんが…」
「大丈夫!!私はどんなティアでも受け入れるからね!!」
「いや、俺は…」
「悪ってことは堕天使に憧れてたりするのかな?
やだなぁ、ティアは私の天使なのに!!」
「ちょっと落ち着いて…」
「あ、眼帯あるけど使う?
『秘められた左目が疼くぜ!!』的な?」
「うん、ちょっと黙っててくれる方がありがたい」

さっきシリアスしてた自分を殴り飛ばしてす巻きにして可燃ごみに出したい

机におやつと紅茶をのせながらため息をつく

今日のおやつは焼きたてのブリオッシュとオレンジティー
マシロの好きな組み合わせだ

「ほら、冷める前に食べな」

「いっただっきまーすっ!!」

はしゃぎながらマシロがブリオッシュにフォークを突き立てる

「ねぇ、ティア」

「ん?」

一口分フォークに刺し、マシロがこちらを見る

「自分を犠牲にしよーとか、そーゆーのはマシロちゃん許さないかんね
笑うときにはティアも笑わなきゃ」

はむっと頬張り、マシロが笑う

それにつられて苦笑していると、マシロがいきなり息をのみ、口許を押さえて震え出した

「ど、どうした!?」

驚きながら近づくと、マシロの「ショック!!」と言う顔と目が合う

「わ、私としたことが…
今日おやつに『萌えビーム』してもらうの忘れてた…っ!!」

「今日っていうかいつもしてないよな?」

「今からでもいい!!
ティア、このブリオッシュに萌えビームを!!」

「例え土下座されてもそんなことはしないぞ?」

「そこをなんとかぁぁっ!!」

「待て!!一国の王女がそんなことで土下座すんなっ!!」

「萌えプリーズ!!」

「断るっ!!」

あーもう、本当に…

平和すぎて逆に怖い


★あとがき★

始まりましたーコラボ企画二つ目
これは「悪ノシリーズをギャグろうぜ!!」と言うものです
badendnightの方はシリアスだったんでね
こっちは盛大にギャグる予定です
といってもまだまだどうなるのかはわからない
所々は決まってるんですけどね
時雨さんと相談かな

拍手コメントでコラボ面白いといってくださった方ありがとうございます!!
悪ノのほうもお楽しみに!!

では!!

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