04/11の日記

14:12
第三章 聖戦クライシス
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母さんが言いました
貴女は女を捨てなさいと

どっかでそんな歌を聞いた気がする
だが今重要なのはそこじゃない
母さんがまだ生きていた頃、俺はそう言われた
まだガキだった俺はその意味がよくわからなかったが、母さんの悲しそうな顔を見て、その言いつけを守ろうと心に誓った

なのに
なのに、だ

「国王様と女王様に会わせる顔がない…

「つまり?」

「父さん母さんごめんなさいそしてマシロのアホ〜…」

「なにそれひどい」

「今の俺の状況の方がひどい」

「可愛いよ!!」

「ふざけんな」

ちくしょう、荷物もちはジョゼフィーヌに任せるんだった…っ
なんで俺がこんな…っ

「えー、黒が嫌なの?
仕方ないなぁピンクとかにしとく?」

「そもそもビキニが嫌だと言うことに気がつけよ!!」

「読者さんはポロリを期待してるんだよ!!」

「俺の意思は!?
つーかさりげにメタ発言すんな!!」

「ぽーろーり!!ぽーろーり!!」

「大声でそんなこと叫ぶな!!
仮にも王女だろ!?
つーか、(女だってばれないために)露出が少ないのにしろっていっただろ!!」

「えー、じゃしょうがない
新しい服持ってきてもらおっか
次はどんなスカートにする?」

「スカートは確定なのかよ…」






















その頃部屋の外では…

「男にビキニなんか着せてなにが楽しいアルか…」

「巨乳好きのお前は分からないだろうな
今、俺のなかで新たな世界への扉が開きそうなことが」

「変態アル!!」

「だってよ、ティアってなんか王女様と女王様に激似だし年齢もまだ許容範囲だ」

「確かに似てるアルけど…」

「そこで!!
ティアにゴスロリを着せたらどうなる!?」

「…っ
亡き女王のゴスロリ姿が再び…っ!?」

「そのとおーっり!!
そしてその上猫耳カチューシャをつけて『おにーちゃん(はぁと)』なんて言ったらどうなる!?」

「ぐぼふぉぁっっ!!
そ、それはなんて素晴ら…けしからんアル!!
よし、今すぐ持ってくるアル!!」

「俺はカメラを用意しよう!!」


ガシッ(無言で握手)


…なにやら友情が芽生えていた





















「…うん、上出来!!」

「もうどうでもいいからさっさとコミケ行って帰ろう」

いつもより質素な服を着たマシロが嬉しそうに叫び、ゴスロリ姿のティアが疲れきったように答える

「えー、もうちょっと見てたい
…って、あーっ!!もうこんな時間!!
早く会場にいかなきゃ!!」

「まだかなり時間があるぞ?」

「…ティア」

時計を見るティアにマシロがギラついた目を向ける
有無を言わせぬその様子にティアが口を紡いだ

「君はコミケをなめている!!
なめてなめてなめまくっている!!
ペロペロすんぞ!!」

「なんかおかし…」
「コミケ会場に時間通りにいくなんてそんな腐女子の海に乗り込んでいくホモカップルみたいな自殺行為初参戦の人でもしません!!
コミケ会場に三十分以内に入場したいなら電車は始発から三本以内!!コミケが始まったら誠意を込めて拍手!!飲料食糧はもちろんのこと、夏は日焼け止めを塗りたくり日除けのタオル!!そして行列地獄に備えて暇潰しができるもの!!
そしてなんと言っても萌えを追求するその気高き魂!!!!
コミケは聖戦!!
これがなければ生き残ることはできんぞ!!」

「…ハイ」

「ではいざ!!
しゅちゅ…っ
出陣ーっ!!」

「大事なところで噛むなよっ!!」





















数時間後

「ちょっ…
これ人多…っ」

「ティア大丈夫?溺れてない!?ぅわっ!!」

「マシロ…っ
あーもう、手ぇ貸せ!!はぐれる!!」

大勢の人に揉まれて転びかけたマシロを引き寄せ、守るように抱き締めた行動はどこから見てもイケメンなのだが…
なにか締まらない
まぁ理由はわかりきっている
主にティアが着ているもののせいだ

「とにかく、手離すなよ」

「はーい《『しょくしゅっ! 〜働く女と触手の輝かしい記録ロリ編〜』初回限定特典付き残りわずかとなりましたー》ぬぁんだってぇぇぇっ!!??」

ティアの言葉に元気よく返事をしたマシロだったが、どこからか聞こえた放送に目の色を変えて走っていってしまう

「あっ
ちょっ待て…」

ズドドドドドドドド…

「ん゛?」

ズドドドドドドドドドドドド…

慌てて追いかけようとしたティアは不意に響いてきた地響きで立ち止まる
ゆっくりと振り替えるとなんだか恍惚の表情をした女子たちが突っ込んできていた

ズドドドドドドドドドドドドドド

┌(┌^o^)┐└(└ ^o^)┘┌(┌^o^)┐└(└ ^o^)┘ホモォォオオオ!!!
「ふははははっ!!この日をどれ程待ち望んだことかっ!!」「ちょ、このホモ旨すぎ!!」「絵師様ぁぁぁぁぁっ!!」「ショタァァァァっ!!」「ホモくれぇぇぇぇっ!!」

「…なにあれ…」

間一髪でのがれ、座り込んだティアは鼻息荒く遠退いていく集団を呆然と眺めていた

そんなティアの肩を叩く者がいた

「君、かわいいコスプレしてるねぇ…
ちょっと撮らせてくれないかな…?ハァハァ」

「…っ!?」

ひくりと口の端がひきつり、なんとも言えない顔になる
よく見ると同じようにカメラを構えている人が何人もいた

「いや、あの、その…」

「いや、お目が高いアル!!」
「この色気に気がつくとは!!」

「ちょっと待て、なんでお前らがいるんだ」

「「俺はもちろん『しょくしゅっ!』の最新刊を」
「ミーはコスプレイヤーの写真を撮りに!!
さぁティアポーズを決めるアル!!」


「アホかっ!!
つーかそもそも、俺は男なんだぞ!!」

「「「えっ……………」」」

ティアの言葉にカメラマンが停止する
そしてひそひそと相談し始めた

「え、何?男の娘?男の娘?」
「男の娘キタコレ?」
「まじか、最近の男の娘クオリティマジパネェww」
「男の娘と聞きまして」
「デュフフスカートめくりたいですな」

会話の内容はなかなかゲスイがなにぶん小さな声なのでティアには聞こえていない

「(…もしかして、引かれた?
そ、そうだよな男なのにこんな服装してたら変だよな
うわ、ちょっと泣きたいって言うか帰りたい)
こ、これはその…」

「「「「ちょっと君パンチらしてくれないかな!!」」」」
「何故!?」

「そりゃ男の娘だからさ!!」
「男の子だから!?
だから何故!?」

「お願いします土下座するので踏んでください!!」
「もっと意味わからねぇぇぇぇっ!!
もうやだ!!帰る!!帰らせてくれぇぇぇぇぇっ…」


数十分後、腕一杯に薄い本を持ったマシロは半泣きのティアが大勢のマニアに囲まれているのを目にするのだった…


★あとがき★

まず始めにっ
時雨さん遅くなってすみませんでしたぁぁぁっ
ちょっとリアル多忙で時間が取れず…(-o-;)

みんながみんな変態(笑)
そして読み直してて気がついた
悪ノの歌詞に掠ってさえいない(-o-;)
ほぼコミケだ(笑)
あ、因みに私はコミケにいったことがありません
全部友達から聞いたものなので実際とは若干違うかも
この時代にカメラやら電車やらがあるのかなんていわなーい(笑)

みじかいですが、では!!

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