08/02の日記

01:30
第五章 混沌ロマンス
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半分かくれた顔からキラキラした目で見上げる少女とそれをよだれを垂れ流しそうな顔で見ている女(職業:王女)、そして青い顔で固まる老人
それを視認してからの俺の動きは素早かった

ホロの背後にたつと両肩をつかみ、ぐりんと振り返らせる
そして目線を合わせた

「ダメだ!!君はそっちに堕ちてはいけない!!!!」
「それはどういう意味かなティア!?」
「そのままだ!!幼気な少女を変態の餌食にするわけにはいかねぇ!!」
「ひどっ!?ちょっと待とうかティア!!この本はそんなヤバイ内容じゃないよ!!」

ほら、とマシロが差し出した本を訝しげに覗き込むがその題名にぴしりと固まる

《彼女の彼女と彼氏の関係》

「…………タイトルが超越し過ぎててよくわかんねぇんだが、どういうことだ…?」

「えーとね、まず主人公の子に彼氏と彼女がいて…」

「…それで?」

「で、その女の子の方に彼女がいて」

「…………」

「で、その彼女の彼女と彼氏が恋に落ちるっていう…」

「うん、明らかにこの子くらいの年齢の子が読んでいい内容じゃないことは分かった」

「エロはないよ?」

「もっと根本的理由だよアホ」

「んんー?」

唸りながら首を捻るマシロにため息をつく
本当に同じ親から生まれた双子なのか疑いたくなる
ま、育ちは全く違うがな
…もしかしてこれも王女に必要な教養だったりするのか?
そこそこ支持者もいるみたいだし…
え、何
まさか俺がおかしいのか?

悶々と考えているとマシロにサインを書いてもらったらしい(後で見せてもらったら何だかメイド服を着た猫耳の少女が書いてあった、なにげにうまい)ホロがくいくいと袖を引っ張ってきた

「…………きん……」

「?」

きん?菌?
なんかついてんのか?

「…め……」

「…あぁ、目の事か」

伸びて少し邪魔になってきた前髪の上から軽く触れる
母さんとも父さんとも、マシロとも違うその色
どの血がそうさせたのかは知らないが、マシロとの関係がばれていないのは大部分がこの色のお陰だ

…ガキの頃は、親とも片割れとも違うこの色が嫌いだったが…


*****

『ティア〜っ』

『お、王女様!!そんなに走ったら転び…『ぶぎゅっ』…ましたね…』

『鼻っ鼻が…っ』

『だ、大丈夫ですか!?』

『…………』

『……?』

『また目そらしたね?』

『え…』

『演技までしたのに!!』

『演技だったんです…『何で目そらすのさ!!』

『……別に、深い理由は…』

『私のこと嫌い?』

『そうではなく…その、………だから』

『何?』

『見られたくないから…』

『目を?』

『俺だけ、違うから…
何だか…怖くて…』

『そうかな
私は好きだよ?
だって…』


*****

「お日さま………みたい………きれい……………」

「っ!!」

思わず顔が赤くなる
頭のなかで無邪気に笑うマシロと同じその言葉に

「い、いやっ
君の方がきれいだと思うけど…」

「…………ん…
ありが…………とう………」

照れながらもホロの月のような目を誉めるとそれまでほぼ無表情だったホロがほんの、ほんの少しだけはにかむ

同時に、何だか胸の奥がもやっとした気持ちになった
もやもやしてふわふわして、なんだよこれ
どうしたんだ?

「ティア―――っ!!」
「!?」

突然大声で呼び掛けられ、びくりと肩が跳ねる

「ど、どうした?」

「おじさんから聞いたんだけど!!この子がさっきの歌カバーしてたんだって!!」

「そ、そーいえば確かに声にてる…かな」

「でね!!再来週隣の国で歌うんだって!!
ねぇティア行っていい!?行っていい!?」

お前はどこの子供だ、といつもの俺なら言っていただろうが、なんだか今はそういう気分じゃない
どっちかっていうとホロが歌うことの方が興味があった

「……あれ?
再来週って予定が入ってなかったか?」

「うそん!?」

「お前の見合いだよ、確か
その隣の国の王子と」

「う゛ぁぁぁぁっ!!
そ、それって延期は…「国同士のことだからさすがに無理だろ…」はうぁっ!?」

あ、マシロが崩れ落ちた
でもこればっかりは仕方がないな
他の政務なら俺がやれるのもあるけど見合いはな…

「いいんだよ…嫁ならたくさんいるもん……」
「その嫁にZ軸はあるのか?」
「ない」
「即答か」
「画面の向こうはパラダイス!!
生まれ変わったら私、二次元の住人になる」
「いいのかそれ!?」

「むぅ〜…仕方ない、諦めるよ…
腸を握りつぶすような気持ちだけど…」

「そこは断っておけよ」

「……………そっくり…さん……………」

「俺のことか?
俺はティアって言うんだ」

「…………ティ、ア…………」

「うん、どうした?」

「…………来て、ほし…………」

「え…」

「……だめ……かな……」

「それは…」

無理…だろうな
王女が他の国に行くってのに召使いが遊びに行くなんて
護衛もあるし…「いいよ、いっておいで」

………………

「え!?」

「最近ティアのこと振り回してるし息抜きにいっておいでよ
護衛とかはへーきへーき、ここら辺平和だし」

「…いいのか?」

「マシロに二言はない!!」

「…ありがとう
ホロ、行けそうだ」

「………ん
マシロ………せんせぇ………ありがと………」

ふんわりと、まだ儚いながらもさっきよりはっきり、花が開くようにホロが笑う

隣で叫ぶマシロの声をどこか遠くで聞きながら胸のモヤモヤがなんなのかを知る

なんやかんやいっても、やっぱり俺はマシロと双子なのかな

つまりは、こういうことだろ?



その優しい声と笑顔に

俺は恋に落ちました
























刑場なう
呟くとしたらこうだろうな
目の前にはクッキーを嬉しそうに食べる姉、可愛い

僕がここについたときには姉さんはすでに仕事を終えていた
内容?これがね、笑えるんだ
十分間こちょこちょの刑だって
平和だよねこの国
本当に下らない
そんな下らないことにぼくの姉さんを使わないでほしい
それをオブラートに包めるだけ包んで姉さんに言ってみたらそれがこの国のいいとこなんだって笑ってた

「ほら、私たちの国って色々厳しいでしょ?
確かにこの国でもそれなりのことしたらそれなりの刑があるけど、それが必要ない
そんな平和な国なんだよ、ここは」

だからこの国にいたいんだ
そう笑う姉さん
面白くない
僕といれば、国に帰ってくれば姉さんの喜ぶことはなんでもしてあげるのに
面白くない面白くない面白くない
どうすれば姉さんは帰ってくるのかな?
どうすれば姉さんを独り占めできるのかな?

………………

もしかして、

コノ国ガ滅ベバイイノカナ?

それなら簡単
これでも僕、一国の王子だしね
あぁ、でも僕が直接手を出したら姉さんは怒るかな?
じゃあ、この国をかき回して内乱でも起こさせてみようかな?
ちょうど、今姉さんから面白い話聞いたし

王女には双子の妹がいる

さすが姉さん、この国の王女とも友達なんだ
内緒だって言われたから誰にも言わないけど
でも、利用するのは別にいいよね?

僕は姉さんのためなら何でもするよ
そのためなら、誰がどうなろうと構わないしね

僕から姉さんを奪った罰だよ

せいぜい、今の平和を楽しむことだね





☆あとがき☆
お、お久し振りでーす(-o-;)
相当久しぶりに更新しました
それにしても久しぶりに書き物した
久しぶりすぎてどうかいてたのか忘れるし駄文だしなんか長いし(-o-;)
うーむ、久しぶりに更新してこんなものですみません時雨さん
あとは任せました←

あ、因みにロマンスは恋愛です
それにしても内容…(-o-;)
だって歌姫がホロちゃんで召使いがティアなら…ねぇ?←誰に聞いている
ティアはレズキャラなのか?
なんだか奴は普通に動かしててもレズ傾向があ(略
まぁいいや
そしてアキノ君
病んでます
ヤンデレです
姉以外のすべてにたいして鬼畜(-o-;)
あ、あれ?
アキノ君のキャラはこれでいいのか?
やらかした気しかしない
書いてて楽しかったけどね!!←

これ以上書くとあとがきの方が長くなりそうなのでここら辺にしまーす

では!!

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