BIO

□Lateness evil spirit
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レオンは兎に角、時間にルーズだった




名無しさんが待ち合わせの公園に着いてかれこれ30分




「・・・ほんっと、遅い」



仕事が忙しいし、しょうがないと思っていたものの




1回2回ならまだしも



デートの度にこうも待たされては、流石に腹が立つ。








腕時計に目をやると、もうすぐ40分


携帯に連絡しても、返事なし




「・・・はぁ」




もう限界だ



名無しさんは、レオンの家に行く事にした









コンコン






コンコンコン




ノックしても、返答は無い




「レオン、居ないの?」







不本意だが、貰っていた合鍵で入らせてもらう事にする







ガチャ








電気は、点いていない



けど



人の気配は、ある









寝室へ行ってみると、シーツを被って眠る誰かさん



「・・・」


・・・自分から誘っときながら、寝てたのね







シーツを豪快に剥がすと、寝ていた金髪が、起きた





「おはよう、レオン」


「・・・名無しさん」


レオンは寝惚けているのか、暫くじっとしていた








「今日は散々な日だったわ、もう帰るから」



痺れを切らした名無しさんは、その場から立ち去る



「あ・・・、名無しさん!待ってくれ!」




慌てて起き上がったレオンは、急いで彼女を捕まえた









「・・・離して」


「・・・ほんとにすまなかった」





「何回目だと思ってるの」


「・・・ごめん」



後ろからぎゅ、と抱き締めてくる彼は

ごめん、ごめんとひたすら謝る



「・・・もういいわ」

「・・・」

「仕事で疲れてたんでしょ?ゆっくり休んで」

「名無しさん・・・」




くるりと振り返って笑った彼女は、本当に優しい人だと思う


「無理、しないでいいから」




「あぁ、悪かった」



何回デートすっぽかしたか分からないし


約束もろくに守れてない



それでも名無しさんは、最後には笑って許してくれる






「ねぇレオン」


「何だ?」


「・・・デートのお詫びに、お願い聞いてくれる?」


「ああ、良いよ」


あまり欲の無い彼女がお願いなんて

珍しいもんだ、とレオンは思った






「一緒に、寝ても良い?」





お願いという位だし


もっとこう、豪華な金の掛かる事かと思えば・・・




「名無しさん・・・悪いなんて、言う訳無いだろ?」





ホント、可愛い彼女を持ったもんだ




「ほら、来いよ」


「うん」



ベッドに入ると、レオンは必ずと言って良い程

腕枕をしてくれる



彼の胸に耳を当てると

トクン、トクンと鼓動が聞こえる




「レオン」



「ん?」




「おやすみなさい」



「あぁ、おやすみ」




二人で心地良い眠りに落ちた

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