恋人は専属SP

□屈んで
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廊下の向こうに背の高い、貴方の後ろ姿を見つけた










笑美(石神さん…)










一種、独特の…近寄りがたい雰囲気を纏っていても
私には、その雰囲気すらも素敵に映ってしまうんです










笑美(石神さん…大好きです)










心の中で呟いた『好きです』の言葉


もし

貴方の仕事が普通の会社員で、私が普通のOLだったら…

言えるのかな…『好きです』って
















石神「笑美さん?」




廊下で貴方の後姿を見詰める私に気付いて、歩み寄って来てくれた石神さん





眼鏡の奥に優しい光を宿し、薄く微笑んでくれる貴方に
キモチを伝えてもいいですか?



少しの冷たさと隙の無い完璧な貴方の
心の片隅にでも、私の居場所をくれませんか?



スーツとネクタイで包む貴方の力強い体に
私を刻み付けさせてくれませんか?










心の中で貴方を『好きです』と繰り返してきた言葉










笑美「石神さん」










長身の貴方の耳に、私の『好きです』が、ちゃんと聞こえるように










笑美「石神さん、少し屈んでもらえますか?」

石神「どうされました?」

笑美「お願いします」

石神「?」










石神さんに…
私の想いが、一言一句伝わりますように
想いを込めて伝えますね?










笑美「石神さん」










長身の貴方が…私の為に屈んでくれる優しさも
私の為に耳を傾けてくれる優しさも、すべて………大好きだから










笑美「石神さん…好きです」










この想いが届くように
本当に…切なくなる程、恋した相手だから…










笑美「貴方が…好きです…」










すべてが










『大好き』に繋がってゆくから














だから











もう一度
想いを込めて…














笑美「石神さん…大好きです」

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