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□futility
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「もしもし。」

男「今、家?」

「開口早々それ?

家だけど…」

男「じゃあ行くから鍵開けといて。

ドアロックも。」

「どれくらいかかる?」

男「もうすぐ。

運転中だから、じゃ。」

切れた。

私はふっとため息をつきながらも、心の底では寂しさを埋めてくれるその存在に喜びを感じていた。

私ってほんとバカだな。

こんな関係、いつまで続けるんだろう。

私はまだ若いし、三十路のおじさんとダラダラした関係を続けていてはいけない。

そうは思うのだけれど、一人暮らしの寂しさと、色々なものが相まって関係を切れずにいた。

もうお風呂も入ってしまったのに、ちょっとファンデーションとかリップとかに手を伸ばしてしまう私は、生粋のバカだと思う。

掃除機かけちゃったりね。

鍵とドアロックを解除して、また私は待っていた。

いつもそう。

彼の勝手に振り回されて、いつも待っている。

でも寂しいって言えばきてくれたり、時々お出かけに連れて行ってくれたり、

そんな日々の充実が、私をこの無駄な時間に引き止めているのだろう。


悶々と考えを巡らすうちに、突然ドアが開く。

「インターホンくらい鳴らしてくれます?」

ズカズカと家に入り込んで来て、すぐ上着を脱ぐ。

スーツってほんと嫌。

かっこいいから嫌。

私は放り出された上着をハンガーにかけた。




男「寂しかっただろ?」

「別に。」

男「ふーん。

他の男と遊んでんの?」

「さあね。」

男「病気だけはもらってくんなよー。」

「うるさいって。」

男「あー、疲れた疲れた。」

すぐさまベッドに横になってる。

「汚い体で寝ないでよ!」

男「汚くないって。」

今日布団干したばっかなのに。








男「おいで。」

私を迎えるように腕を開いて待ってる。

その姿は私を求めてる。

だから、私は行かざるを得ないの。



「んん…なに?」

男「わかってるやろ?

仕事終わりは疲れるんやって。」





その時々混じる関西弁が好きなの。






「だからなに?」

男「舐めろ。」

ベルトを緩めて私の肩をぐっと押す。

不可抗力で私は彼の下半身まで頭を下げて、少し抵抗する。

「いや。」

男「脱がして。」


乱暴なくせに。

それでも憎めない。

それは愛しいに近い感情。

手が自然とベルトにかかり、私がズボンを脱がそうとすると、自分で一気に下着までずらす。



自分でするんかい。




男「早く。」

私は黙って、その萎えたものを手に取った。

ゆるゆると動かすと少しだけ硬くなってくる。



変態。



手の力を緩めたまま、先の辺りを重点的に責めると少しずつ大きくなってくる。

男「あー気持ちい。」

私は無心でその何も生み出さない行為を続けた。


男「舐めて。」

まったく。

どこまでずうずうしいの。



「うるさい。」

男「早く。」



それに従う私が悪いんだけどね。


私は唇を舐めて、その半勃ちのものを口にくわえた。

充分収まる。

根元まで含んだら、舌を絡めてピストン。

男「気持ちいい…」

大きくなっていくのは分かるけど、彼のもの自体あまり大きくないから、ほぼ全てを口に含んでいることができる。

まあこれくらいのがやりやすいんだけど。


緩急をつけたり、吸ってみたり、舐めてみたり、手の動きを変えてみたりしながら、私は反応を楽しんでいた。

「…気持ちいい?」

男「サイコー。」

唾液でビショビショなのを利用して、手でピストンする。

やらしい音が彼を更に興奮させた。

男「あー、もう無理。

いれたい。」

「いや。」

男「いいから脱げって。」

私のスカートに手を入れ、下着をずり下ろした。

「慣らさなきゃ無理だよ。」

男「早く。」



知ってる。

彼が前戯を一切してくれないってことも、私がいつも大変な思いをしなくちゃいけないってことも。

都合のいい女だなって思うよ。

だけど、無理なんだもん。

私は自分の中指を膣に入れて少しかき回した。

所詮自分の指、深く入れることをできず、一本で軽く入り口を動かすのが限界。



男「萎えた。」

「萎えないでよ。」

男「そんなん無理やろ。」

「めんどくさいなぁ。」



私は指を抜いて、横たわる彼の上に跨る。

おじさんだから、すぐ萎えるし。

大きくないし。

私は心で罵りながら、萎縮したそれに手をのばした。

その割にすぐ大きくなるし。

男「早く。」

私はゆっくり腰を浮かして、入り口に彼のものをあてがった。

体重で少しずつ中に入っていく。

慣らさないでも入るようになったのはいつからかな。

「ゆっくりね。」

男「あー、やっぱお前のなかサイコー。」

中に入った彼のはあまり圧迫感もない。

もちろんそれに比例して痛みもない。

慣らしてないのに。

「動かないで。」

腰が少し動いていたので、体重で制する。

上が主導権持つのはもちろんでしょ。

私は脚を立てて、自分の気持ちいいところに当たるようにしながら腰をゆっくり上下した。



「ん…ぁ…」



気持ち良さも大きさに比例する。

だけど私はこの大きさ、嫌いじゃないの。

奥が痛くなることもないしね。

男「あー、やば。

きもちーー。」

うざいから、もっと動いたろ。

私は動きを早めた。

「きもちいいの?」

男「んー、いいわー。

若いのはいいよな。」

「若いからね。」

男「他の男のとすんなよ?」

「してないし。」

男「そうなん。

そんな激しく動いたら出ちゃうから。」

「はぁ…きもち…」

男「あ、ぁ…待て待て

出るから。」

私の腰を止めて、少し笑う。

妙に整った顔。

鍛えられた体。

30には見えないよね。

だから余計惑わされる。


「なんで?」


男「まだ早い。

もうちょっと楽しみたい。」

「ふーん、」

また私は腰を動かした。

早く

早く彼がいくように。



男「あー、いきそ。」

「いったら?」

男「いってい?」

「だめ。」

男「もう無理。」

「だめ。」



私は腰を止めた。

締め付けて、緩めるのを繰り返す。

向こうも時々力を入れて動かしてくる。



うざ。



私は笑みを浮かべてまたピストンを始めた。

男「でそう…

もういい?」

「いきたいならいけば?」

男「いいの?」

「早くいきなよ。」

男「あー、サイコー。

まじきもちいい。


おもいっきり性処理したるからな。

嬉しいやろ。」

いつもこうやって言ってる。

高まってきたらいつも。

そこが2人の暗黙の了解みたいになってる。

「いいよ、いっぱい出して」

私は体を倒して、彼に抱きついた。

首筋に唇を寄せながら、腰は緩めない。

男「奥にいっぱい出したるからな。

俺のもんや、俺の性処理やからな。」

「性処理でいいから…

いっぱいちょうだい」

男「あー、出る、

あー、っ!!」


私のお尻を掴んで、奥に突っ込みながら果てる。

だらしない。

いってからも少しピストンして、精液を奥に送り出そうとする。

それ意味あるのかな。


私は体を彼に密着させて力を抜いていた。

そんな私をぎゅっと抱きしめる。

男「奥まで出したった。」

「よかったね。」

男「ピル飲んどる?」

「飲んでるよ。」

男「忘れんなよ。」

「忘れないわ。」


男「俺の子供が欲しいからって、お前ならしそうだからな。」


「…欲しくないもん。」

男「俺の子供なら絶対可愛いでー。」

「うるさい。

抜くよ?」

私は返事を待たず勢いよく立ち上がった。

男「あーーー、垂れた。」

「待って、動かないで。」

すぐにティッシュを取って、まずは私の入り口にあてがう。

それからベッドを確認、

大丈夫。

男「ウェットティッシュで拭いて。」

「自分でしてよ。」

男「お願いー。」

「もー。」

逆らえないんだよな。

いやだけど。


結局綺麗にさせられて、わたしの仕事は終わった。

そのあとは必ず抱きしめてくれる。

それがすごい好き。


私の膣の中には彼の精子がたくさん入っていて、時々漏れ出したりもする。

下着よごれるからいやなのに。

それでも彼のためにピルを飲んでる。



バカなのはわかってる。

わかってるよ。

だけど、こんな楽な関係ないんだよ。

こんなに愛しい人にも出会ったことがない。

これで愛しいとか言ってる私は、もしかしたらどこかおかしいのかもしれない。

それで平気で普通の人とセックスするし。


私って最低。

それをやめられないくらいには私はバカで、だらしないの。




それでもいいから。






彼とのセックスはやめられない。

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