逆転裁判*短編

□すれちがい通信
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「待った!それは…さっきのビシっと決める人のこと?」




僕は問いつめる。




「うん…そうだね、すごく…かっこいいの」




もじもじした仕草で彼女は言う。




くぅっ!!!そいつ羨ましいぞ…このやろう…!!




悔しい…悔しいけど、でももし本気で名無しさんちゃんが




その人のこと好きなんだとしたら…僕はどうするんだろう。




「そっかあ…。その人は名無しさんちゃんみたいないい子に好かれて幸せ者だね」




僕はそう言って笑顔を作った。




「そ、そうかなあ…。あ、そうだ!ナルホドくん!逆に私から質問なんだけどいい?」




「ん?あぁ、いいよ」




「御剣さんの好みのタイプってどんな女の人なのかな?」




僕は一瞬で察した。あ、名無しさんちゃんが好きな奴って御剣か。




ビシっと決めるってところも一致するなあ…。




あいつ、モテるなあ。




「うーん…。そういう話ってあんまりしたことがなかったからなあ…わからないや。ごめんね」




でもあいつも名無しさんちゃんならきっと…OKするはずだ。




まだ学生とはいえ、仕事はできるし気が利くし、明るくていい子だ。




「そっかあー!ううん、気にしないで!真宵ちゃんが出かけちゃったし、私が真宵ちゃんの分の仕事も
片付けちゃおうっと!」


そう言って、台に乗り大量の資料とファイルを抱えた名無しさんちゃんが僕に問いかける。


「ありがとう、よろしく頼むよ!さっ僕も仕事しなきゃ。」


一番上の棚にある書類を引っ張りだすため、僕もパイプ椅子に乗る。


そのとき、台に乗っていた名無しさんちゃんの………



スカートの中が!!!!



見えそうで見えなかった…!



「……ナルホドくん…言っとくけど、私これスカートじゃなくてキュロットだからね?」



うっバレた…。


「キュロットって?」



「スカートみたいなズボンのこと!ナルホドくんのえっち…」



(あ……い、いまのは……っ不思議とちょっと嬉しいような…っもういっかいいって欲しい)


っていうかズボンみたいなスカートってなんだよ!!



詐欺だ!!
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