Cuore Luna

□第四章 タンジェリーナの交流
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シングたちは、帝都エストレーガに行くために南オールドマイン港に来たそうだ。
南オールドマイン港は、帝都の南に位置している。帝都に行くなら一番近い港だ。
なぜ帝都に向かうかというと――要因はカルセドニーで、話そのものはタンジェリーナが初めてシングたちと会う前まで遡る。


カルセドニーは、皇帝陛下暗殺未遂で第一級反帝国罪に問われていた。
婚約者である皇帝陛下――パライバ・マリン・ド・レとの想いのすれ違いから、その時持っていたコハクの「怒りのスピルーン」と「夢のスピルーン」を暴走させてしまったのだ。
そして、その場に居合わせたパライバを傷付けてしまった。

カルセドニーは部下に連れられて聖都プランスールに逃げ込んだ。
しかし帝国軍は、カルセドニーの罪を口実に――軍と教会は犬猿の仲であるため――聖都に押しかけた。
そして、結晶騎士と互角の力を持つゼロム憑依兵を投入されたことで、美しき聖都は容易く制圧され、教会側は投降することとなった。

ところがカルセドニーは、彼の部下のよって聖都から逃がされたのだ。その部下たちは、軍に投降した。
彼らの想いを無駄にはできないと、カルセドニーはそのままシングたちに同行することになった。


ここまでが、初めてタンジェリーナとシングたちが会う直前のことだ。


しかし、軍はカルセドニーを見逃しはしなかった。
と言うよりも、皇帝陛下の婚約者であり、教会の教主――ラブラド・アーカムの息子であるカルセドニーを軍が失念するはずがなかった。

昨日、軍が『カルセドニーが出頭しなければ、投降した結晶騎士を全員処刑する』という通達を出したのだ。
それを知ったカルセドニーは、独断で単身帝都に向かってしまったのである。
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