甘い疑惑

□序章
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京の変身処・みやび光(みやびこう)。

公家の末裔で元子爵家末裔である三条明長 (28)と妹の充子(26)が営むこの店では 舞妓、鹿鳴館、大奥、芸妓、姫、花魁、十二 単、殿様衣装などで記念写真を撮ることがで きる。

「お疲れ様です。お写真の方できあがりまし た。」
と できあがった写真を渡す充子。
「ありがとうございます。私のデジカメと携帯で撮ってくださったのもみたんですけどやっぱりここに来てよかった!こんなに きれいなお姫様に撮ってくださるなんて!今 度は友達と来ますね。」
「えぇ、是非!それではお気をつけてお帰り ください。ありがとうございました!」
と 客を送りだし店の中へ入る充子。

「次のお客様は1時間後ですね!」
と 明長の妻・美佳(24)。充子に憧れている。
「えぇ。上様と正室、戦国武将と姫の設定で 撮りたいそうよ。結婚式挙げないかわりの記 念写真ですって。」
「やーん楽しそー!」
と 充子に抱きつく。
「楽しいわよ。思い出に残る日にしたいわね。」
と 美佳の頭をなでる。美佳はうれしさでうっとりと目を閉じた。
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