拝命します
□雨
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2人での料理はさほど大きな失敗もなく、大方成功というところだった。
「食ってみるか」
「そうですね〜…」
篤さんと一緒に作ったと言えど、自分の料理センスが心配で躊躇していると、篤さんが「食べないのか?」と聞いてきた。
「…いや、なんか…まずかったらどうしようかと…」
「そんな訳ないだろ。俺と作ったんだから絶対旨い」
わお。その自信どこからくるのよ。
篤さんがクッキーを持ったと思うと、私に食べさせようとした。
「ほら、食え」
強力だなぁ…なんて思いながら口にしてみると、案外おいしかった。そして
「お店のやつみたい!!」
案外どころか、かなりおいしかった。
「そりゃ良かった」
すると篤さんが私の口元に手をのばしてきて、何かとおもうと
「…バカ、口元子供みたいにカス付けやがって」
「…あ、すいません…」
「…」
急に黙ったかと思うと軽くキスをし、頭を撫でられた。
「〜〜〜なんですかー!!」
郁の戸惑いの声を察したのか「気分だ、気分!!」といいながら、後ろを向いた。
なんとなく篤さんが真っ赤になっているんじゃないかと思った。
「…篤さん片付け手伝いますよ♪」
「あ、ぁぁ、うん」
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(篤さん可愛いなぁ…)
(なんでこんなに可愛いんだよお前…)