謎のプリンス

□乙女心
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ケイティが回復した今でも、ホグワーツ内の生徒たちの間で"呪いのネックレス"は囁かれ続けていた。


ケイティは授業に出ることも苦しくなり、終いには自分の部屋に籠るようになってしまった。



しかし、人の噂も七十五日……
ケイティには日常が戻りつつあった。


そして今日はハリーとロンの出場するクディッチの試合当日。


ハリーは試合を楽しみにしているようで、朝から浮き足立っているが、問題は……


「ロンはガチガチね……」


ハーマイオニーとハリーの目の前には、キーパーの防具をつけて朝食を食べようとしないロン。


私もちらっと視線を移すが、いつもの食欲旺盛のロンは見る影もない。



「ロン、これでも飲みなよ」


ハリーがロンの前にゴブレットを突き出した。
しかし、ロンは一切飲もうとしない。


「ハリー、悪いけど僕、食欲ないんだ」


それでもハリーは強引にロンにゴブレットを渡す。
ロンも観念したのか、突き出されたゴブレットを掴み口をつけようとした。



「ねぇ?ハリー、さっき何入れたの?
あたし、見ちゃったんだ」


いつの間にか隣に座っていた不思議ちゃん……
ルーナが口を開いた。


私とハーマイオニーは、その言葉を聞きハリーへと視線を移した。


ハリーは肩をすくめながら内ポケットを探っている。
そこから出てきたのは見覚えのある小瓶。


『まさか……!幸運の液体……』


「ハリー!そんなの校則違反よ!
ロン!飲んじゃダメ」


しかし、ロンはハーマイオニーの制止を無視し、中のカボチャジュースを一気に飲み干した。


「ハリー!行こう!」


ロンとハリーはしっかりと腕を組むと、足早にクディッチ競技場へと向かっていった。



「男の子って何てバカなの?」


ハーマイオニーは溜め息をつきながらスクランブルエッグを口へと含んでいる。


私たちも朝食を食べ終えると足早に競技場へと向かった。



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