After Story
□新たなる世界
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新学期がもう間もなく始まるであろう8月下旬
ホグワーツ内は静かな時を感じていた。
そして、この日がセブの最後の日。
ホグワーツを去る日でもあったのだ。
私の荷物は大して持っていくものもない。
セブから貰ったブレスレットはちゃんと左手首に付いているし、小さな玉もしっかりと持っている。
私はそれがあれば十分だった。
例え効力はもうないとしてもそれだけで十分だったのだ。
私は拡大呪文をかけたバッグに必要なものを詰めると寮を出た。
談話室に降りると私が今までホグワーツで過ごしてきた4年間が走馬灯のように頭を駆け巡った。
突然の編入生でありながらそれを快く受け入れてくれた校長先生。
私に友達というものの大切さを教えてくれたハリーやロン、ハーマイオニー。
守るべきものの為には強くならなければいけないと教えてくれた騎士団のメンバー。
それに……
私に人を愛することを、人に愛される喜びを教えてくれたセブ。
この一瞬では語り尽くせない程、様々な出来事があった。
私は溢れてくる涙を拭うとセブの部屋へと足を進めた。
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