ボカロnovel
□可愛いお兄さん[レンカイ]
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『レン…朝だよ』
彼の声で俺は目覚めた。
「ん…おはよう、カイ兄」
『おはよう。今日マスターは泊まりで仕事行ってるから明日帰ってくるって』
「うん、わかった」
この家には俺とカイ兄、マスターの三人で暮らしている。
だけどマスターは仕事が忙しくて今日も泊まりがけで仕事に行っているみたいだ。
まあ、家事はカイ兄がやってくれるから心配は無い。
『ご飯作ってあるから着替えてきてね?』
「うん」
*****
『はい、レン』
そう言って出された今日の朝食は、珍しくパンだった。
普段は和食が多いため、なんだか新鮮だった。
『昨日買ってきたんだ、ジャムが安くなってたから』
「へー、美味しい」
『良かったー、デザートもあるからちょっと待っててー…』
そう言ってカイ兄は何やら電子レンジで温めてきた。
『焼きバナナだよー』
「焼き……バナナ…?」
バナナは俺の大好物だ。
だけど焼きバナナなんて食べたことがない。
『調べたの、こうすると美味しいんだって』
見た目はなんかすごい…けど、本当にこんなのが美味しいのかな。
フォークでつついてみた。
すると簡単にバナナは崩れ、トロトロだった。
あ、美味しそうかも。
試しに一口……
「…!お…美味しいっ!」
それは想像を越える美味しさだった。
加熱したバナナは甘味が増していてすごく美味しかった。
『でしょ?また作るよ』
そう笑うカイ兄は……
可愛かった。