∽小説【短編】∽

□副隊長研修
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『副隊長研修』



「これより二番隊から十三番隊の副隊長に一週間、他隊にて執務を命ずる。各隊長は速やかに副隊長にその旨を伝え準備に取りかかれ!では、解散!!」


山本総隊長より命じられた今回の副隊長総研修。

果たして各隊の反応はいかに!?



【二番隊】

「え〜、すっげぇ面倒くせぇですけど、まぁ総隊長の命令じゃあ仕方ありませんねぇ」

と、嬉しそうに語る大前田。

「そうだな。せっかくだから貴様はそのまま移隊でも構わん。それか十一番隊あたりで、間違って更木に殺されてもいいぞ」

冷たく言い放つ砕蜂に大前田は冗談ですよね?、と冷や汗をかきながらうす笑いを浮かべていた。


【三番隊】


「はぁ…わかりました」

「心配する事はないよ、イズル。君が壮大な冒険へと旅立つ時には相応しいファンファーレを僕が奏でてあげるからね」

「はぁ…」

一人酔いしれているローズを横目にとりあえずこの人から距離をおけるなら…と考えてた吉良なのでした。


【四番隊】

「研修!?わ、私はどこに行くんですか?」

「さぁ?それは当日のお楽しみらしいですよ?」

ふふふ、と笑みを浮かべる卯ノ花に対し、十一番隊だったら遺書を書こうと肩を落としながら密かに考えた勇音だった。


【五番隊】

「せっかく桃と仲良うなれたのになぁ」

「そんな大袈裟ですよ、平子隊長。少しの間、隊を離れるだけじゃないですか」

「で?桃はどこに行きたいん?やっぱ十番隊か?」

「えっ!?べ、別に私は…」

「なんや?顔赤いで〜?ほな十番隊になるように裏工作でもしたろか?」

「もぅ!!からかわないでください!!」


ここぞとばかりに追い詰める平子とただただ赤面しながら動揺する雛森でした。


【六番隊】

「他隊に研修っすか?まだ行き先は決まってないんすよね?どこになんのか楽しみっすね、隊長!…隊長?」

「何だ?」

「何書いてるんすか?」

「推薦状だ」

「推薦状?いや俺は別にどこでも…」

「兄のではない」

「へ?じゃあ誰の…?」

そこには十三番隊副隊長のルキアを六番隊で研修するよう求める書面があった。

『俺の事はどうでもいいんすね、隊長…』

『この機会に是非ルキアの仕事振りを傍で見てみたいものだ』

そこにはうなだれる副隊長をよそに、いそいそと筆を走らせる隊長がおりました。


【七番隊】

「鉄左衛門は希望はあるのか?」

「いやぁ、儂は特に…。まぁ十一番隊なら気兼ねなく出来るっちゅうくらいですかね」

「そうか」

「それよりもさっきから櫛通してばかりおりますが、どうかなさいやしたか、隊長」

「い、いや…別に何でもない」

万が一、女性副隊長が来た時のために少しでも身なりを整えておこうとする狛村を聖母の眼差しで見守る鉄左衛門がそこにはいた。




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