HOWLING MOON

□F
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船長室へ続く長い廊下をペンギンと並びながら歩く。


思ったより中は広い造りになっており、私は辺りをキョロキョロと見回していた。


「ラゼル!後で俺が案内してあげるね♪」



シャチと二人で後ろを付いて歩いていたベポがトタトタと早足で私の横に並び、目をキラキラと輝かせていた。


「ありがとうベポ。じゃ、後で一緒に回りましょ。」


にこりと微笑めばベポも嬉しそうに笑って手を繋いできた。


か…可愛い…後で二人きりになったらいっぱいもふもふしてやるっ!



そのままベポと手を繋ぎ歩いて行くと、一番奥の突き当たりに着いた。他の扉と違って重厚で装飾もしてある。


ここが船長室か…


ーコンコン



「船長。ラゼルを連れて来ました」






「…入れ」



ペンギンがノックをして少しすると中からトラファルガー・ローの声がした。
そのまま扉を開けて中に入ると、トラファルガー・ローは椅子に座り、何やら分厚い本を捲っていたが私達が入ると本を閉じ、こちらに向き直った。




「コイツらには大体の話はしておいた。心配するな…」


「え…っ!?」


バッと顔を上げ、トラファルガー・ローを見遺ると彼は大きく溜め息を一つ吐いた。


「この船のクルーになるんだろ?遅かれ早かれ何れは分かる事なんだ。大丈夫だと言っただろう?
一応他のクルーには口外しねぇ様に言ってある。
言いたくなったら自分の口から伝えろ」



そう言われ、恐る恐る振り返るとベポもペンギンもさして気にもしていない様子…シャチは…?

チラリ…シャチを見ると、ばちりと目が合った。

「……っ」

シャチは私から目を逸らすと、気まずそうにキャスケット帽を引き下げた。


じとり、私は怪訝な目をトラファルガー・ローに向けたが、彼は気にも掛けずこれからの身の振り方を淡々と説明し始めた。


「ラゼルはこの船では食事を担当してもらう。内容はコックがいるから教えて貰え。洗濯、掃除は当番制だ」

「えぇ」


「あとは…部屋だな…俺の隣の部屋が空いている、そこを使え。風呂は俺の部屋のを使え。以上だ」


「あの…船長さんの…?」


不満げに質問を投げ掛けると、トラファルガー・ローは眉間に皺を寄せた。

「あ゛ぁ?文句あるか。だったら他の野郎達と雑魚寝だ。風呂も大浴場を使え…」



「…ありがたく使わせていただくわ…」


観念したように了解すると、トラファルガー・ローは満足そうに口端を歪めた。


「ベポ、シャチはこいつの部屋の準備をしてやれ。ペンギンは出港準備だ」



三人は了解の合図をとると、船長室を後にした…




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