魔法旅行記ブック

□第三言
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「うぇ げほっこほっ…」
「すまない、いきなり姿表しはきつかったか………」
「師匠は軟骨ですね!」


なんだよ軟骨って…!!
軟弱の間違いだろう。
……いや認めたくないけど……。


「今から杖を売っている、オリバンダーの店に行くのだけれども いいかい?」
「はい 大丈夫です。 大分吐き気も収まりましたし…………」


ディペットさんについていくと
すっげぇボロいお店にたどり着いた。
いや、これは店なのか?


今にも崩れそうな傾いた屋根。

ガラ

中に入る。
店の中も想像通り、ボロい。


「オリバンダー」
「いらっしゃい」
「うわっ」


しまった。
誰もいないと思っていた所にいきなり人が現れたから 思わず驚きの声を上げてしまった。


「話は聞いていますよ。Mr.ディペット。早速杖を選びましょう!」


先に姫ちゃんから選ぶことにした。


「利き手は左ですっ」
「ふむふむ……」


オリバンダーは店の奥にいってしまった。
多分、杖を持ってきているんだろう。

おっ、来た。




ドガァアン





屋根に穴が空いた。


「……………………姫ちゃん」
「違っ 姫ちゃんただ杖振っただけですよぅ!!」
「ふむふむ、これも合わないか………」

が、オリバンダーは屋根に穴が空いた事を何でもないように一瞥し、また奥に行ってしまった。


「心配することはない。オリバンダーの店では壊れることなどいつもの事だ。」

だそうだ。


「姫ちゃん、今度は壊さないないようにね」
「むむっ」

姫ちゃんが杖を振る。
すると杖先から黒い花弁が出てきた。

香りからすると、桃の花、だろうか 。


「師匠ー!!見てましたかー!?姫ちゃんやりましたです!」
「よくやった姫ちゃん」


「これは黒桃の樹ユニコーンの涙でできている。」


黒桃の樹とかあるんだな……。

なんて事を考えながら次は僕の番だ。


バシッ


「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「誰でも良いからなにか言ってくれよ!」


結論を言うと、僕が杖に振れた瞬間、杖が僕の手を避けるように店の奥に飛んでいった。


「…し、師匠!た、たとえ杖に裂けられたとしても姫ちゃんは師匠を裂けません!!」
「傷を抉る様なことを言わないでくれるかい姫ちゃん。後フォローになってないよ。それに、裂けじゃなくて避けだからね」


恐いこと言わないでもらいたい。




その後も何本、いやなん十本も試したが、どれも同じ反応だった。


諦めかけたときオリバンダーが黒い箱を持ってきた。


「これは無の樹、セストラルの骨そして、九尾の狐の尾でできた杖じゃ」







うわぁ 嫌なもの思い出した。


杖に手を伸ばす。


杖を振ると

姫ちゃんの時の杖選びでぼろぼろだった店が次々に直っていった。


「ブラボー!!」



結局僕はその杖を買うことになった。
 

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