legendary girl
□two
1ページ/4ページ
「なあ知ってる?今日転校生来るんだってさ!」
「知ってる知ってる、知ってるからもうちょっとボリューム下げてよ。」
「でも、なんでこんな時期に?」
「さあ?親の仕事の都合とかじゃない?大体引っ越しの理由ってそんなのでしょ。」
「こんな金持ち学園に来るか?普通。」
「そこ自分で言っちゃうんだね。」
「めっちゃすごい人来るみたいだよ!なんでも、世界にあるたくさんの大きな会社を傘下におさめてるらしいし、世界トップ企業のところの子だって!」
「マジで?とてつもないじゃん!」
「俺らじゃかないっこねーな!」
「転校生、女の子らしいよ!めちゃくちゃ美人って聞いた!」
「お前なんでそんなに知ってんだよ。」
「……え、なんでだろ?」
「…はぁ、聞いた俺がバカだった。」
「そういえば、あの子も綺麗な子だったよね。」
「そうだな、俺たち全員あの子に会った瞬間に惚れてるんだもんな〜(笑)」
「声もすごい綺麗な声だったよね!いつもいつも歌ってもらっては聞き入ってたし!」
「あの子の声は不思議だよな。なぜか癒されるんだもんな。」
「俺のお父さんが言ってた。あの子は、[legendary girl]なんだって。」
「[legendary girl]?どーゆう意味?」
「伝説の女の子って意味だよ。」
「伝説の女の子か〜、そう言われればそうだよね!」
「そういえば、この学園にもあったよね?伝説。」
「この学園っていうか…世界の伝説?」
「あ〜、あったね。それがもしあの子なら…あの子は本当に伝説の女の子なんじゃない?」
「いやいや、ないない。伝説なんて信じないの。子供じゃないんだから。」
「えー、でもちょっとは希望持ちたいじゃん?」
「仮にそうだとして、あの子は今どこにいるのかわからないんだよ?ちゃーんと現実をみようね。」
「じゅうぶん見たし!それに転校生があの子ってこともあり得るかもしれないじゃん!」
「何を根拠に言ってるのかな?そんな漫画みたいなことないよ。」
「ちぇっ。」
「まあ良いじゃん、信じるのも悪くないよ。」
「そうだね、信じなきゃ伝説なんて生まれないし。結局伝説は本当なんだよ。」
「[legendary girl]か……。」
「あの伝説の主役に値する女の子なんでしょ?きっと想像以上の子なんだろうね。」
「現れるかな、[legendary girl]。」
「それと共に、[神姫の間]もね。」
「[神姫の間]?なにそれ?」
「あれ?知らない?
伝説に刻む者
その名を置いて汝姿を現せよ
誰もが敗弱するであろう容姿
誰もが驚愕するであろう美声
すべてを成すのは刻む者であ る
汝、姿を現せば
時近くにてあらわる真の姿
我は長い年月を歴て汝を待つ」
「…なにそれ?」
「[神姫の間]の物語。これもお父さんが教えてくれたことなんだけど、その[神姫の間]は[legendary girl]を待ち続けているらしいんだ。」
「で、その[神姫の間]ってどこにあるわけ?」
「さっきの物語で言ったでしょ?時近くにて現る真の姿って。つまり、[神姫の間]は[legendary girl]が現れるまで現れないの。」
「なにそれ意味わかんないんだけど!」
「俺だってお父さんから聞いたからよく知らないんだよ!」
「お父さんよく知ってるんだな。」
「うん、自慢みたいに聞かされて育ったからその話忘れたことないよ。」
「じゃあそのお父さんもこの学園の生徒の一人だったのかもな。」
「とにかく、伝説のことは伝説のことで早く転校生見たいな〜!」
「お前なぁ…。」
「しかもしかも!転校生、俺らのクラスらしいよ!」
「まじかよ、結構やばいじゃん、ヤバイ奴じゃん。」
「まあ楽しみだね。転校生が伝説と関連してるのか。」
「え、結局そこ?」
「まあ関連してないだろうけど。」
「まあないでしょ。」
「俺は転校生があの子だってちょっと希望持っとこ!」
「まだ言ってたの?それ。」
「だーかーらー!希望だけでも持ちたいんだって!」
「無理じゃね?俺らもうあの時離れたっきりかれこれ13年だぞ?」
「ですよねー、完璧忘れられてますよね。」
「忘れてるどころか現れないよ。それでも俺たちはあの子を想い続けてるしかないの。」
「もちろん想い続けてるよ!それにあの話もあるし。」
「まあまあ、募る話は後にして、教室行こうぜ?担任拗ねてるだろうし。」
「そうだな!」