Let's “ family ” !

□4.“跡”
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今度は,悠莉の部屋に入った。
悠莉の性格は几帳面だったので,笑美と違ってよく整理整頓されていた。

部屋の物に懐かしさを抱いていると,悠莉の机の上に青色の紙で包装された袋が置いてあった。
それには手紙が添えてあって,笑美ちゃんへ,と書いてある。

もしかして,もしかしなくとも笑美へのバースデープレゼントだった。


手紙を手に取り,ゆっくりとそれを開ける。しかし,中身を読むことが何故かひどく怖く感じられて,手が大きく震えた。



『笑美ちゃんへ

14歳のお誕生日おめでとう。
私は,笑美ちゃんと一緒にいたときは,とても楽しいかったよ。

本当に,生まれてきてくれてありがとう。これからもずっと…』


そこから先は,涙で視界が滲んだせいで読むことはできなかった。
これから,のその先は,もうない。
ただ後悔と,苦しさと切なさと寂しさと,罪悪感と無念と…一言では形容しきれない負の感情が喉に込み上げてきて,笑美はそこから動けなくなってしまった。


「…ッ…うぐ…ぅ…」


けれども,笑美は涙が流れるのを必死に堪えた。まだ泣くべきときではないと,自らに言い聞かせて。





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