Let's “ family ” !
□4.“跡”
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『私の家を,探させてください。もしかしたら,心当たりがあるかもしれないので。』
3日ぶりに食べ物を口にした笑美は,そう言った。
そして現在,笑美たちは村に向かっていた。笑美自身が,大人数を引き連れたくないと希望したので,車には運転席にロマーリオ,後部座席にディーノと離れて笑美が座っていた。
笑美は狙われている身なので,万が一に備えてもう一つの車にディーノの部下が大勢乗っている。
「…」
車の中では,重苦しい沈黙が続いていた。
元々キャバッローネファミリーと笑美の村のファミリーはシマが隣接しているため,距離はさほど離れていないので移動時間は長くはないにしろ,沈黙がそれを長く感じさせていた。
「…」
窓の外を眺める笑美は心ここにあらずといった状態で,ぼんやりと何かを追憶しているようだった。
否,大体思い起こしているのはロマーリオにだって想像がついた。
ーーー…あの襲撃事件の,こと。
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