虹物語
□第7Q 「目標を叫べ!!」
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響くバッシュのスキール音。
バスケットボールが床に跳ねる音。
行き交う選手達の腹の底からの鼓舞の叫び声。
音。音。声。声。
全部全部,大好きだった,はずなのに。
それらが耳に届く度に,彼女の脳の奥の記憶が揺さぶられ,
胸からどうしようもない自らを灼熱で焼かれたような熱くて痛くて苦しい何かが込み上げてくる。
そんな何かを全て喉で押し潰して,
きりと凛とした面持ちで,白乃 音は新入部員の一年生対二年生のミニゲームを眺めた。
「…!!」
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