虹物語
□第10Q「任せてください」
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寝ようとして部屋の明かりを消したときにふと気付いた。
薄暗い部屋の中,手提げ袋の中で一点緑のランプの明滅を繰り返す携帯をぱかんと明けると,眩しい程の光を放つ画面に写し出される文字。
From 黒子テツヤ
「…。」
一瞬だけ送り主の名前に唖然とするが,メールの内容を見て,さらに空いた口が塞がらなくなった。
義務的な癖で出した返信メールの編集画面を複雑な面持ちで見つめ,結局返信は出来ないまま彼女は逃げるように頭まで布団に潜り込んだ。
瞳孔は驚愕に開いたままで,爆裂するような心臓の音が耳の奥にごんごんと鳴り響き,意味が無いとは分かっていながらも反射的に耳を抑えてうずくまる。
そして震える。
『僕の命令は絶対だ。』
歯の根がうまく噛み合わない。がちがちと音を立ててしまう。
「…私は…」
蚊の鳴くような小さな震える声で彼女は呟く。
「…私は…!」
私は…
……
…
From 黒子テツヤ くん
To 藍多 凛
題名 無し
本文 明日,黄瀬くんのいる海常高校と練習試合ですが戦います。
僕はキセキの世代に勝ってみせます。
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