虹物語

□第11Q「お願いします!!」
1ページ/6ページ





音「…。」



火神がパスを出すことで格段に戦略が広がり,海常に点が追い付いてきた。
この後も見続けていたかったが,音は水筒の水の補給のため外のて洗い場に来ていた。


大丈夫。黒子くんがいるから。火神くんがいるから。日向先輩が,伊月先輩が,水戸部先輩が。リコ先輩が。皆が。
だから,大丈夫。勝ってくれる。


ただ一人,流れる水を眺めながら念じ,神様なんて偶像の存在だとは分かっていても,必死に音は両手を握り締め,漠然とした何かに祈っていた。
今の自分にできることは,これだけ。
ただ信じて,信じて。
自らの無力さに歯痒さが込み上げるが今はそんなことに考えを集中させる時ではない。


急いで水の入った水筒を籠に納め持ち手を両手で掴みそれを持ち上げる。



音「っと…。」



水筒が何本も入った籠は水を入れたことにより重さが行きよりも段違いになっていたが,これくらい試合に出ているメンバーに比べれば。と自らを叱咤して体育館へと足を早めると,
…そこには,





頭から血を流す黒子の姿が。




.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ