硝子細工の姫君―Lies And The Truth―
□Chapitre.14
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ジュウウ、と音を立てて熱い鉄板の上でお好み焼きが焼かれる。つい最近見たばかりの、そのお好み焼き争奪戦は、今回も月夜の横で繰り広げられていた。
『よく飽きませんねぇ。お好み焼きならまだあるんだから、意地張らなけりゃいいのに』
「好きでやってんじゃねぇ! このまんじゅうが俺の 盗るからだろ!」
「モコナも食べたいもーん!」
ぐぎぎぎぎ、という音が聞こえてきそうな左隣から呆れたように視線を逸らす少女。その正面で、小狼は正義と話していた。
「正義君、本当にありがとうございました」
サクラの羽根は、正義の巧断の中にあった。あのナワバリ争いの時に彼を助けて、その後の協力も無かったら、こんなに早くは見つからなかっただろう。
「僕も巧断も…ずっと弱いままだったから。だから…だから……! ちゃんと渡せて、ほんとに良かったです!」
「弱くなんかないです。戦うことだけが強さじゃない。
誰かの為に一生懸命になれることも、立派な強さです」
それを聞いて、零れた涙を拭いながらお礼を言う正義を、月夜は穏やかな顔で見つめていた。
その時、横から聞き慣れたら声がかかった。
「よう」
「笙悟さん!」
見ると、そこに立っていたのは笙悟だった。後ろには、チームのメンバー達。
「うちのチームの情報網も捨てたもんじゃねぇな。あ、ここ ちょっと詰めてくれな」
どうやら情報網を使って、月夜達がここにいることを知ったらしい。言いながら正義の隣に座るリーダー。近くの席も、あっという間にメンバー達で埋まった。
「お、コゲるぞ 食わないと。あ、俺も豚モダン。んで、虎コーラ」
「はーい」
笙悟のオーダーを受けた 小狼の国の神官に似た店員が「豚モダン1枚よろしく 王様!!」と言うと、顔を引きつらせた 王に似た店員は、メンバー達の視線を浴びていた。…もしや、あれからずっとそう呼んでいるのか。
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