七つの大罪
□待っていたんだ
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『……〈七つの大罪〉が、王都に?』
城の自室で窓際の椅子に座り、本を読んでいると、部下から「〈七つの大罪〉が王都に急襲してきた」との報告があった。なるほど、道理で強大な魔力が異常なスピードで向かってきていたわけだ。
「如何致しますか、リリス様」
『……』
束の間沈黙した後、私は閉じた本をテーブルに置いて立ち上がった。
『お前達は下位聖騎士共の援護へ。私はあいつの所へ行く』
「し、しかし……あの3つの魔力の中に、奴がいるという保証は……」
『私には分かる』
踵を返し、扉へ向かう。
『―――わざわざ、そっちから出向いてくれるなんてね……
〈色欲の罪〉ゴウセル』