七つの大罪

□破壊の女帝 前編
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―――大昔、1人の女神が堕天した。


人間を愛するが故に、地に堕ちた。


それを、彼女は理解出来なかった。


人間が嫌いだったから。


人間は愚かだ。


意味の無い争いを同族同士で繰り広げ、太陽を黒雲で覆い、大地を枯らした。


失うものがあるだけで。


何も得られはしない。


裏切り、裏切られ。傷つけ、傷つけられ。


何千年の時間(とき)が流れようと、理解しようともせずに繰り返す。


そんな種族を、どうして愛することが出来ようか。


これが彼女の言い分だった。


でも、それはただの言い訳なのではないかと思う。



その理由は、きっと―――……。
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