FAIRY TAIL
□Halloween Night
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冥府の門本拠地・冥界島。
今、目の前にいる九鬼門・暴爆のジャッカルと不死のテンペスターは、絶賛困っている。
それもそのはず。何故なら――。
「ほぅ? お菓子が無いと申すのか、ジャッカル、テンペスター」
「trick or treat。お菓子を渡さなければ悪戯……という訳で」
「いやいやいやいやいや!! 何がという訳で、やねん!! おかしいやろ!! あと無駄に発音ええな!!」
『何、ジャッカル。お菓子とおかしいをかけてるつもり? 面白くないわよ』
「その発想に繋がる貴女がおかしい……」
―― 一言で言うなら、ハロウィンだから。
え、何で悪魔が人間のイベントをしているのか? そもそも悪魔がお菓子を食べるのかって? 細かいことを気にしたら、その時点で敗北よ。
まあ、これも一言で言わせてもらうなら、面白そうだから。ただそれだけ。
だって普通、人間に興味の無い悪魔がハロウィンなんて知っている訳が無いじゃない。それをわかっていて、キョウカとセイラと一緒に、他の九鬼門の所へ来ているのだ(仮装なんてものはもちろんしていない。する必要性を感じない)。さて、この2人にはどんな悪戯をしてやろうか。
『ちなみに、既にエゼルとフランマルスとトラフザーは堕としてきたわ』
「Σエゼルーッ!! フランマルスーッ!! トラフザーッ!!」
「既に3人も……!?」
とりあえず最初のターゲットは、九鬼門の中でも特にこういうことに興味の無さそうなその3人だった。そしてやはり、あっさり堕ちた。どんな悪戯をしたのか、なんて聞かない方が身の為だよ?
「ぐっ…何とか譲歩してもらえんk「聞こえんな、何だ?」あ、詰んだわ」
「Σ諦めが早すぎるぞ!」
早くも遠い目をするジャッカル。潔いのは嫌いじゃないから、その耳と尻尾をもふもf…引っ張るくらいで許してあげよう。